第10話

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2021/03/27 03:08





そして歌を披露するとき





達也
達也
はるっ!!
晴人
晴人
ん?
達也
達也
大丈夫、お前ならできる
晴人
晴人
達也くん…
晴人
晴人
ありがとう!!





LIVEのときのように俺を力いっぱい抱きしめて





背中を押してくれた





晴人
晴人
あー、次歌っすね…
晴人
晴人
いきなり作詞作曲してほしいって言われて、最初はテンパったけどがんばりました
晴人
晴人
聞いてください
晴人
晴人
___





歌のラスト





先輩にしかわからないことを歌った





最後にするから





晴人
晴人
そんなあなたでも好きだから
晴人
晴人
そんなあなたが好きだから





立って手拍子をしていた先輩が泣き崩れた





太我がハンカチを渡そうとしても





そんなの無視して泣いた





先輩たちの卒業LIVE





俺が先輩たちに向けてつくった歌の歌詞をいれた





気づいてくれた





よかった





歌い終わって、拍手が鳴り止む前に





走って式場の外に出た





達也
達也
はるっ!!
達也
達也
大丈夫かっ!!
晴人
晴人
ねえ…
晴人
晴人
達也くん…
達也
達也
どした?
晴人
晴人
俺、がんばれたよね
晴人
晴人
全部全部、終わったよね





達也くんに問いながらも





自分で心の整理をしたかった





あの時とは違う





達也くんは泣きながら





達也
達也
がんばった
達也
達也
もう終わったよ
達也
達也
おつかれ





そう言ってくれた





涙が溢れそうになったのを堪えて





みんながいる所へ向かった





太我
太我
はる!!
太我
太我
ありがとう!!まじで!!ほんとに!!
晴人
晴人
いいって‪w‪w‪w
晴人
晴人
その…
晴人
晴人
お、おめ…
太我
太我
ん?
晴人
晴人
いや、なんでもないや
晴人
晴人
先輩のこと泣かせんなよ?
太我
太我
わかってるよ‪w‪w‪w
(なまえ)
あなた
はる…!!
晴人
晴人
いつまで泣いてんの
晴人
晴人
化粧崩れすぎ
(なまえ)
あなた
ありがとう、ありがとう





顔を手で覆いながら先輩は言う





晴人
晴人
ううん、夫婦か、がんばって
(なまえ)
あなた
ねえ、はる





自分の気持ちにケリをつけるために





駐車場に向かった





先輩はずっと着いてきた





(なまえ)
あなた
はる…
晴人
晴人
もう、泣かないで
(なまえ)
あなた
はる…
晴人
晴人
みんな笑ってくれたね
(なまえ)
あなた
はるっ…
晴人
晴人
先輩
晴人
晴人
高校生時代のことだけど、大好きでした
晴人
晴人
太我と幸せにならないと怒るから
(なまえ)
あなた
はるっっっ!!





先輩はまた泣いた





泣き虫な先輩を置いて、俺は車を走らせた





晴人
晴人
終わったんだな…
晴人
晴人
先輩、高校生時代なんかじゃなくて
晴人
晴人
今も、これからも
晴人
晴人
大好きだよ
晴人
晴人
でも、大好きでした





素直に伝えられた





そう思いたかった





嘘だらけの告白





その日、携帯が鳴り止むことはなかった





着信の表示を見ても、非通知





出る気なんてない





非通知だから





にしても、みんな笑いながら泣いてたな





俺は…





泣いてないな





泣けねえよ





こんなん絶対





捨てらんねえよ





愛情なんて





もういらねえよ





友情なんて





くそ…





晴人
晴人
やっぱ嘘
晴人
晴人
泣いてるわ





ひとり車で泣いた





もう終わりだから





言えねえよ





おめでとうなんて





言いたくねえよ





晴人
晴人
おめでとうっ…





さようなら、大好きでした





俺はいい後輩でいたいから





いい仲間でいたいから





晴人
晴人
飯食って帰ろ





溢れて止まらない涙を袖で拭った





着ていたのは





達也くんが青で





太我が赤





俺は黄色





涙で少し濃くなった黄色のスーツを見て





笑った





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