_
そう言ってメモを渡す。
さっきのところの机の上にあった情報。
パクってきました。拍手👏。
_
自分たち幹部は、一緒に住んでいる。
このビルが17階建てオフィスビルだけど、地下も17階にも及ぶ。
17階頂上が私たちの部屋である。
それより下は、構成員や訓練員の宿舎。
だいだい、資料室、訓練室、武器保管室など、
マフィアに必要なものは全て地下が多い。
だから、あんま階数が多くなくても困んない。
うぉぬは、地下のパソコン室で、
じょんはには、医務室、
みんぎゅは、工房にずっといて、
その幹部所属の構成員達は、そこの近くに部屋が多いけど、
基本休息は各自の部屋にで取る。
ゆっくりコートを脱ぎ、体につけたナイフを外す
脇腹の火傷痕、喉の傷跡。
暴行の跡。今まで受けた傷。
ベットに座り、筋トレをしながら、昔を思い出す。
自分は、何者だろうか。
なんのために生きているのかと問うときがあった
帰ってきた答えは
『人間の新たな兵器となるため。』
私は、秘密組織の軍部の人体実験被験者だった。
もちろん、人身誘拐によって、連れてこられた。
毎日が実験、実験、実験。
薬物を過剰注入され、痛覚を切られ、
人体実験され、めちゃくちゃにされた。
でも、唯一の救いは隣に同じ境遇の人がいた。
_
_
すんちょるは、すぐに体力面で実験に体が追いつけず、一時中止となった。
じょんはんは、親から医学を受け継いでおり、私達2人の治療係だった。
もちろん、じょんはんも、一回だけ実験を行ったが、無理だった。
そりゃあ、あんな細い体無理でしょ。
3人で同じ部屋ですみ、
毎日私を生かしてくれて
一緒に逃げ出す方法を考えていた。
ある日、実験が終わった後、
唐突に研究者の喉を掴み、首の骨を折った。
人間としての一線を超えてしまったのだ。
歩いて出会った人全員殺した。
研究所はもう人がいない。
後は、すんちょるとじょんはにだけ。
でも、お世話になった人は忘れていない。
_
_
すんちょるとはには顔を見合わせて、
私を抱えると黙って出口に向かった。
外は森林で森を抜けると、街が広がっていた。
廃病院を見つけ、連れて行く。
その時見た景色はどんな時よりも綺麗だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!