第35話

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2022/03/15 09:00
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ジンペイ
あれ……?俺、どうしたんだ?
コマ
なんでこんなとこにいるのかな……?
フブキ
なんか変、記憶が……
マタロウ
えっと、Yサークルの謎を解いたところまでは覚えてるんだけど……







遠くからそんな会話が聞こえる






みんなどうしちゃったの?

さっきのこと、覚えてないの?



そう聞きたくても聞けない





なぜなら___






ラント
記憶を奪われたか……

おそらく生徒会のメンバーも……







霧隠先輩に口を塞がれてるから





UFOから光が出た途端に森の方に連れて行かれた





なんで私は拉致されたんだろうか


やっぱり前のこと根に持ってますか……?待ってますよね?






貴方
んーー!!
ラント
!……ああ、すまない







ようやく解放してもらえた







貴方
あ…あの……なんで私を……
ラント
キミには聞きたいことがあるからな

記憶を消去されては困るから連れてきた






聞きたいことってなんですか……?


ご、拷問的な?どうやって拷問されたい的な?





本当に怖い、ジンペイくん、今すぐ助けに来てください


ああ、もういなくなってる……!!






ラント
安心しろ、大したことじゃない







その『大したことじゃない』がめちゃくちゃ怖いんですが……?


震えてる私を落ち着かせようとしてるんだろうけど、逆効果ですよ……?






ラント
まずひとつ、なぜヤツらを知っている







なぜって………




拷問的な質問じゃなくてよかった







貴方
……アイツらのせいで、私の人生はめちゃくちゃにされたんです
貴方
パパも、………友達も失いました
ラント
……そうか







やっぱりそうだよね


普通はどう反応すればいいか分からないよね





私もこのこと話したのは霧隠先輩が初めてだけど……






ラント
………私も同じだ
貴方
え?
ラント
私も、ヤツらのせいで家族を失ったんだ







おどろいた


まさか自分と似た境遇のような人がいたなんて




申し訳ないことを言うけど、ちょっとだけ親近感を覚えてしまった






ラント
小さい頃にUFOを見たのが原因だったのかもな

父さんも、母さんも、マリナも……!!







感情が昂ったのか、怒りで近くの木を拳で殴りつける






貴方
………私たち、似たもの同士ですね
ラント
似たもの同士だと?







………あ、


ヤバい、つい口にしてしまった




どうしよう、絶対不快に思われた……!


家族を失って似たもの同士とか、嬉しいわけないよね!?






貴方
すっ、すみませっ……
ラント
……そうだな、

たしかに似ているかもな







………わ、笑った……?


とりあえず助かった……






ラント
そしてもうひとつ

生徒会に入らないか?
貴方
……………へ?







この人今なんて言った?


生徒会に入れ?




……いやいやいや、何かの聞き間違えだよね






貴方
す、すみません、もう一度言ってもらっても……
ラント
生徒会に入れと言ったんだ







聞き間違えじゃなかった





なんでいきなり!?すごく怖いんですけど!!


何を企んでるんですか!?


やっぱり私のことパシリにする気じゃ……






貴方
えっと……ど、どうして……?
ラント
キミの成績や普段の行い、授業態度は把握済みだ

かなり優秀だと聞いている
ラント
それにエイリアンについても知っている
ラント
これだけで理由は十分だろう







いやいやいやいや、全然十分じゃないですよ……?




それってつまり、私の学園生活を把握してるってことですよね?


怖すぎるんですが……?





とりあえず怖い霧隠先輩と長時間一緒にいるのは自分的に厳しすぎるので……






貴方
………ご、ごめんなさい…?
ラント
なぜだ
貴方
入ろうとは思わないですし……
貴方
何よりYSPクラブを敵視しているのは、

私のことも敵視しているようなものなので……







私、こう見えてY研所属だし……






ラント
………そんなに嫌か?







シュンとする霧隠先輩


あれ?ちょっと可愛い……?






貴方
別に嫌なわけじゃなくて!

ただ……
ラント
ただ?
貴方
き……霧隠先輩が、こ、怖い……っていうのも…あ、って………
ラント
…………そうか







うう、あからさまに落ち込んじゃってる……


ちょっと言い過ぎちゃったよね……






貴方
なんか、その……

やっぱり私、
ラント
なら、
ラント
保留でも構わないか?
貴方
ほ、保留……ですか?
ラント
別に無理に入れようというわけじゃない

私が怖いのであれば、少しずつ慣れていってくれれば構わないし
貴方
えっ







少しづつ慣れていく……?



そ、それってまさか今後も会うってコト……?






ラント
……それでいいか?
貴方
…………………ワカリマシタ







そんな顔されたら断れないじゃないですか






………もう流れに身を任せよう


ああ、私の平穏生活が遠のいていく……






いや、YSPクラブのみんなといる時点で平穏じゃないか……

































































へえ、アイツら案外面白いかも







風紀タワーの最上階





ある真っ白な女生徒は


曇り空を見上げながら面白そうに呟いていた






それに………
やっと見つけた、私の所有物

ずいぶん手こずらせてくれたわね〜
次は逃さないからね?
________真冬あなたちゃん♡







不気味に口角を上げた少女の瞳が赤い閃光を放った気がした

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