しばらく見蕩れていると、彼はこちらを向く。
すかさず目を逸らすが、おそらく気づかれている。
毎日のようにホソクと寝て、私の身体はおそらくホソクの香りで染まっている。
(昼休み)
ナムジュンさんはジンさんからお昼に誘われていた。
その様子を後ろから見ていると、フワッと嗅ぎなれた匂いがする。
振り向くとホソクが立っていた。
”うん”と答え、私はホソクの一歩後ろを歩く。
私の視線の先があなたに向いていないことに気づかれないように。
時間が無いなら私のこと連れてこなくてもいいのに、なんて思ってしまったことはホソクには言えない。
サンドイッチとカフェオレを手に取りホソクの元に戻る。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!