第14話

そんな彼だから
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2020/08/18 09:00
武内煌
…え?でも雨強くなってくよ…
三浦あや
お願い、私煌くんと話がしたくてここまで来たの



彼の言葉を遮って伝える


煌くんは少し困った顔をして…


武内煌
…強くなったら中戻るよ


と頷く



手が少し震えている



でも、伝えなきゃ
三浦あや
…この前さ、沙羅には好きな人がいるって言ったよね
武内煌
…うん
三浦あや
あれ、嘘なんだ



煌くんの顔は驚きもせず悲しい顔もせずただそうなんだ…とつぶやいていた
三浦あや
私ね、ふたりが付き合って欲しくなくて嘘ついて、でもいろんな人を傷つけて後悔して



涙腺が壊れそうになる
三浦あや
でもね、沙羅からさっき告白された。って聞いたらやっぱり付き合うのは嫌だって思ってる私がいるの
三浦あや
ほんと最低なことして…考えてごめん



…言った




ついに言ってしまった



幻滅したかな


そう思っていた私



しかし彼の口から出たのは
武内煌
三浦は最低じゃないよ





という優しい言葉だった










  
 
三浦あや
……え?
武内煌
去年、俺らが初めて話した日


煌くんと昔の話をするのは初めてだった
武内煌
三浦は忘れてるかもしれないけど



覚えてるに決まってるじゃん
武内煌
俺、三浦の自分にウソついて、どうするのって言葉に救われた
武内煌
確かに三浦は俺や椎野には嘘をついた



でも!!と訴えるようにいう彼
武内煌
去年、三浦が、言った言葉で言ったら
武内煌
三浦は自分の気持ちには正直でいた
武内煌
だから三浦は最低なんかじゃない。正しかったんだよ


思いがけない言葉に息が止まった気がした



「私のしてたことは正しかった」



……そっか




あのときも前を向いていた




今は前に向かせてくれる




煌くんはそんな人



だから私は………
三浦あや
煌くん…
三浦あや
私、煌くんのことが大好きです




彼に恋したんだ

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