彼の言葉を遮って伝える
煌くんは少し困った顔をして…
と頷く
手が少し震えている
でも、伝えなきゃ
煌くんの顔は驚きもせず悲しい顔もせずただそうなんだ…とつぶやいていた
涙腺が壊れそうになる
…言った
ついに言ってしまった
幻滅したかな
そう思っていた私
しかし彼の口から出たのは
という優しい言葉だった
煌くんと昔の話をするのは初めてだった
覚えてるに決まってるじゃん
でも!!と訴えるようにいう彼
思いがけない言葉に息が止まった気がした
「私のしてたことは正しかった」
……そっか
あのときも前を向いていた
今は前に向かせてくれる
煌くんはそんな人
だから私は………
彼に恋したんだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。