第8話

本当のことを話そう
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2020/08/12 09:00
さっきの宇佐美くんのことで周りから少し注目を浴びていたので私たちも部屋に戻ることにした



いつもホテルに泊まるときは胸が高ぶって仕方がないが今はそれどころではなかった


ベッドの上に座った沙羅はふぅ…と息を吐いて
椎野沙羅
単刀直入に聞くね
椎野沙羅
嘘、ついてたでしょ


煌くんのこと…と私を睨む
三浦あや
うん、ついてたよ

何の誤魔化しもなく答えた私
椎野沙羅
煌くんにも言ったんでしょ?私が別に好きな人がいるっていう大嘘を
三浦あや
煌くんから聞いたんだ


きっと、集合前、2人で話してたのかもしれない
椎野沙羅
ねぇ、なんで、なんでこんな嘘ついたの?
椎野沙羅
あやのせいで今日、誰ひとり修学旅行楽しめなかったんだよ?

と涙目に訴えてくる
三浦あや
…私はさ、自分の気持ちに正直になっただけだよ
椎野沙羅
え…?


何言ってるの?という顔をされる
三浦あや
私ね、もし煌くんと沙羅が付き合ったらって想像するだけで最悪の気分になるの
椎野沙羅
…やっぱりあや…煌くんのこと…


私はその言葉を聞き流す


沙羅の言葉なんて今は聞きたくもない
三浦あや
このままの関係で。笑顔でいられるにはどうすればいいか
三浦あや
私が辿り着いたのは2人の関係をぶち壊すこと



沙羅は私の目を見て黙って話を聞いてくれる

それが少し嬉しくて。同時に切なくて




三浦あや
これでわかったでしょ?私が嘘をついた理由



しばらく沈黙が続く



そして
椎野沙羅
…フフッ…アハハハハッ!!!



そこにいたのは今まで見たことのない

悪魔のような心がドス黒い



笑顔の沙羅がそこにいた

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