第12話

彼を忘れてはいけない
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2020/08/16 09:00

走った 




彼の元へ

全力で



嫌だった


二人が付き合ってしまうのが



やっぱり私には応援できない
宇佐美龍也
三浦さん…?
三浦あや
宇佐美くん…!
宇佐美龍也
走ったら危ないよ


と注意しながら何か他に言いたそうな顔をしている
三浦あや
宇佐美くん…ごめんね、今日は…


私は頭を下げた
三浦あや
全部私のせいなの
宇佐美龍也
…え







ここまでの出来事を話した

















宇佐美龍也
つまり、三浦さんのくだらない感情のせいで今日は台無しになったんだね


すべてを打ち明けた後の宇佐美くんの第一声は想像以上に呆れた声をしていた
三浦あや
くだらなくなんか……!
と言いかけるが今までのことが思い返される

悲しそうな顔






怒り
三浦あや
…そうかもしれない


宇佐美くんは大きなため息をつく
宇佐美龍也
三浦さんはぶち壊れそうじゃなかったね



集合前にそう彼に言われたことが頭に浮かんだ
宇佐美龍也
元々、中身は壊れてたんだ
宇佐美龍也
俺は外見の三浦さんしか見てなかったんだね

表情からは分からないけれど宇佐美くんは怒っているのが声でわかった
三浦あや
本当にごめん…


宇佐美くんには1番謝るべきだと思った


1番関係のない人なのに傷つけてしまったから
宇佐美龍也
…中庭


と彼がつぶやいた
三浦あや
中…庭?
宇佐美龍也
煌は中庭にいるよ



……そういえば何故、宇佐美くんはここにいるんだろう


今更ながら不思議に感じた



宇佐美龍也
…俺、さっき煌に八つ当たりしちゃってさ部屋から追い出しちゃって


と少し切なそうに笑う



……ん?なんで今質問してないのに喋った…?




…いや、今はそんなのどうでもいい
宇佐美龍也
悪い。って思ってるならさ煌とも話してきなよ
宇佐美龍也
…っていうか元々煌と話すつもりで来たんでしょ?


宇佐美くん………




傷つけたのに




なんでそんなに優しいの…?
三浦あや
ありがとう…



私は再び走り出した






あとは煌くんだけだ

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