第7話

ほら、また傷つけた
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2020/08/11 08:00
三浦あや
お、おはよう…2人とも…

と声をかける

しかし返ってきたのは


『…はよ』


という小さな声


やる気を全て失ったかのような声





そこからは地獄のような時間だった


会話は必要程度

誰ひとり目すら合そうとしない


1日が1年くらい長く感じた


だから宿泊するホテルに着く頃にはヘトヘトだった



…これで休憩できる…


と思っていると


『なんなんだよ…』

と言った




私ではない。


宇佐美くんが。



怒っているように聞こえた


でも彼は泣いていた
宇佐美龍也
…人生でたった1回の修学旅行なのに…ふざけんなよっ…



…また傷つけてしまった

今度は何にも関係のなかった人まで


私のついた嘘で

何人も傷ついている
武内煌
…俺、コイツと先に部屋戻ってるな
武内煌
龍也…ごめん、ごめんな…


と言いながら2人は私たちの元を去っていった




椎野沙羅
あや

沙羅が私の名前を呼ぶ


明るく優しい前みたいな声…ではない


絶望、怒り、苦しみ負の感情が全て混ざったような声





これから私たちの運命が決まる。




そんな気がした

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