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第4話

ファルセット
そう勢いよく出てみたものはいいものの昨日の教室に涼風さんはいなかった
五十嵐 遥
五十嵐 遥
よくよく考えれば部活休みだったりするのに俺何やってんだろ...。
俺は何も考えずに教室まで来たことに今頃気づいて肩を落とした。トボトボと教室に帰ろうとした時、
涼風 葉月
涼風 葉月
あら?五十嵐くん、どうしたの?
急に聞いたことがある声がして振り返ったら涼風さんだった。
五十嵐 遥
五十嵐 遥
あ、え、えっと...。
やはり涼風さんと話す時はどうにも挙動不審になってしまう。俺は涼風さんに会えて嬉しくなって上がる口角を必死に下げて言った。
五十嵐 遥
五十嵐 遥
勉強の息抜きで散歩。涼風さんは?
涼風 葉月
涼風 葉月
私は午前中に部活が終わったんだけど、昨日五十嵐くんがサックスに興味ありそうだったから話せないかなって。
五十嵐 遥
五十嵐 遥
え?
予想外の回答すぎて俺は硬直した。俺にわざわざ話ってなんだろうかと心臓がバクバクした。
涼風 葉月
涼風 葉月
そしたら運良く会えてよかったわ。五十嵐くん音楽は好き?
突然の質問に俺は驚きながらも俺は答えた。
五十嵐 遥
五十嵐 遥
好きなほうかな。
その返事を聞いて涼風さんの表情はパァっと明るくなった。そうすると涼風さんは早口調で続けて話した。
涼風 葉月
涼風 葉月
それじゃあいきなりなのだけど、私の練習に付き合ってくれないかな?
いきなりの提案にまた硬直した。俺なんかでいいのか、どうして俺なのかという気持ちで頭がいっぱいになった。けど俺は挙動不審にならないように涼風さんに聞いてみた。
五十嵐 遥
五十嵐 遥
どうして俺なのかな?
俺の質問に涼風さんは少し困り顔で答えた。
涼風 葉月
涼風 葉月
私ね、今年の夏のコンクールでソロを吹くのね。けど先輩を出し抜いて選ばれた結果だったから、同学年の同じパートがいない私にとってソロパートを相談しやすい相手がいなかったの。
五十嵐 遥
五十嵐 遥
それで1人練習していたんだね。
涼風 葉月
涼風 葉月
ええ。その練習してる光景をたまたま五十嵐くんが通りかかって聴いてくれたのだけど、その感想が真っ直ぐ素直に褒めてくれる感想ですごく有難かったの。
俺はそう言われてすごく照れた。涼風さんが俺の言葉を聞いて少しでも前進してくれてるととても嬉しい気持ちになる。
そして涼風さんは話を続けた。
涼風 葉月
涼風 葉月
それでもし、五十嵐くんの真っ直ぐな感想が毎日聴けたらコンクール当日もその言葉を糧に頑張れるかなって。
その話を聞いて俺なんかでいいのかという考えは一気に吹き飛び俺は涼風さんに言った。
五十嵐 遥
五十嵐 遥
俺でよければ手伝うよ。
涼風 葉月
涼風 葉月
本当に?ありがとう。
彼女は嬉しそうに笑った。その時の涼風さんは後ろに見える夕焼けのせいかわからないが彼女の笑顔がすごく綺麗に見えた。
そうして僕達のコンクールに向けての練習は始まった。