そう勢いよく出てみたものはいいものの昨日の教室に涼風さんはいなかった
俺は何も考えずに教室まで来たことに今頃気づいて肩を落とした。トボトボと教室に帰ろうとした時、
急に聞いたことがある声がして振り返ったら涼風さんだった。
やはり涼風さんと話す時はどうにも挙動不審になってしまう。俺は涼風さんに会えて嬉しくなって上がる口角を必死に下げて言った。
予想外の回答すぎて俺は硬直した。俺にわざわざ話ってなんだろうかと心臓がバクバクした。
突然の質問に俺は驚きながらも俺は答えた。
その返事を聞いて涼風さんの表情はパァっと明るくなった。そうすると涼風さんは早口調で続けて話した。
いきなりの提案にまた硬直した。俺なんかでいいのか、どうして俺なのかという気持ちで頭がいっぱいになった。けど俺は挙動不審にならないように涼風さんに聞いてみた。
俺の質問に涼風さんは少し困り顔で答えた。
俺はそう言われてすごく照れた。涼風さんが俺の言葉を聞いて少しでも前進してくれてるととても嬉しい気持ちになる。
そして涼風さんは話を続けた。
その話を聞いて俺なんかでいいのかという考えは一気に吹き飛び俺は涼風さんに言った。
彼女は嬉しそうに笑った。その時の涼風さんは後ろに見える夕焼けのせいかわからないが彼女の笑顔がすごく綺麗に見えた。
そうして僕達のコンクールに向けての練習は始まった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!