第4話

2.ミニョン先輩
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2019/02/13 13:20
目を閉じれば君が浮かんで

声を聞く度にドキドキして

俺の心は…

私の心は…

君色に染まっていくんだ








春の暖かい日差しと授業を教えている先生の声

私はボーっと、先輩に出会った日のことを思い出していた










あの日

先輩との出会いは最悪で

花壇のお花にホースでお水をやっていたら

手元が狂って

ミニョン
ミニョン
冷たっ
なんて声
あなた

ご、ごめんなさいっっ!

慌てて謝ったら貴方は
ミニョン
ミニョン
ふふっ、気にしなくていいんだよ?
…って、柔らかく笑ったんだ


金髪で、やんちゃなのかな?と思っていたから

その柔らかく狐を描く目、口元に、

私の心は簡単に引き寄せられて

とくんっ…恋に落ちる音がした

あの日から、もうすぐ1年が経つけれど

私の心は、いつでも貴方に染まっている

好きで、好きで、たまらなくて…

だから、この前先輩に頭をよしよしされた時も

嬉しくて、恥ずかしくて…

先輩の顔、見れなかったな




先輩のことを考えて、ニヤけてしまってたのかな?

バシッ っと、頭を叩かれて

びっくりして、叩いてきた人を見たら
ダニエル
ダニエル
お前、またミニョン先輩の事考えてんの?
…って、呆れたように笑う幼なじみのダニエルが居て

馬鹿にされたことが悔しくて
あなた

そうだよ…?駄目なのっ?

って、ダニエルのことを軽く睨んだら
ダニエル
ダニエル
さっきの授業さ、次のテスト範囲だぞ?
って言って目を細めて笑ってきた
あなた

えっ…!?どうしよっ…聞いてなかったっ!💦

私が焦っていると
ダニエル
ダニエル
ふはっ…笑
…って笑い声が聞こえて
ダニエル
ダニエル
ばーか.妄想も程々にしろよ?
ダニエルがさっきの授業のノートを私に貸してくれた
あなた

有難うっ!

って言ったら
ダニエル
ダニエル
どういたしまして.笑
って、天使みたいに微笑んでくれた
途端に女の子からの黄色い悲鳴

天使だもんね…モテるよね…

そんな事は気づかずにダニエルは私の頭を撫でて席へ戻って行った
…先輩に感じるものとは…少し違うけれど

ダニエルが撫でてきたのを思い出したら

ドキドキ、胸が鳴っている









ダニエルside

ずっと、近くで見てたんだ

小さい頃から、ずっと、ずっと

俺にとっての一番はあなたで

そばにいることが当たり前だと思ってた

好き、なんだ…

ふわふわ笑ってて…

危なっかしくて、守りたくなるような…

アイツのことが

だけど、いつの間にかアイツ目には、心には

いつもいつも『先輩』が居て

俺の恋心がちりちりと焦げていく

先輩を見る度に染まるその頬を

俺の手で包んで、キスしたり、抱きしめたりしたい

なんであの人なんだろう

俺はずっとそばにいたのに

酷い嫉妬心

耐えられない片思い





あなた

ダニエル?どうしたのっ…?



俺の顔を覗き込むあなた
ダニエル
ダニエル
いや、なんでもないよ、帰ろうぜ

ドキドキしてるこの胸の鼓動、君も同じだったらな



ダニエルside end














あっという間に、1日が経って

もう今は下校の時間

いつもの様にダニエルと一緒に下駄箱へ向かうと



ミニョン
ミニョン
お前ら…くっつきすぎ…
怠そうなのに綺麗な声

光を浴びて金色に輝くサラサラの髪

女の先輩達に囲まれたミンヒョン先輩がいた
ドキドキする気持ちと…先輩への嫉妬心

一瞬で私の心はぐちゃぐちゃになってしまって

どうしようかなってきゅって唇を噛んだら

隣にいたダニエルが私の手を握った
あなた

ダニエル…

何してるの?って聞こうとしたら
ミニョン
ミニョン
…あなたちゃん?
大好きなミンヒョン先輩の声が聞こえた
ミニョン
ミニョン
…その子、彼氏?
先輩の目は繋がっている私たちの手に向けられていて

咄嗟に手を払おうとすると

ダニエルの手に、力が入った
ダニエル
ダニエル
そうですよ?
あなた

えっ……?んっ…/

唇に暖かくて柔らかい感触

視界には…目を閉じたダニエルと
ミニョン
ミニョン
……大胆だねぇ…
少し目を細めた先輩の顔

ゆっとりと…離れていく唇

バクバクと音をたてる心臓
ダニエル
ダニエル
…なんって.ただの俺の片想いですよ.先輩
少し意地悪に笑ったダニエルに

止まった思考回路が更に悲鳴をあげる
すぐ近くにある

ダニエルの整った顔立ちに、胸が高鳴る

先輩の事が、好きなのに、好きなはずなのに

心が揺らぐ
ミニョン
ミニョン
あなたちゃんは…そいつのこと、好きなの?
先輩の声はどこが悲しそうで
『もしかして…』なんて淡い期待が頭をよぎる

声が出なくて、首を少し横に振ると
先輩の真っ直ぐな目が、私の目を捕らえる
ミニョン
ミニョン
俺だって…あなたちゃんのこと、好きなんだよ…
先輩の切なそうな、甘い声
あなた

せん…ぱいっ…

胸が苦しい

好きで好きで、愛おしくて…

私だって、好きなんです

嬉しすぎて…声が出なくて

ポロッ と涙が零れた
あなた

先輩…私…

『先輩が好き』と言おうとして……気づく
ダニエルの、切なそうな顔に

私を見つめる瞳に映っている

ダニエルの、私への恋の色に

どうしてだろう…分からない














ミンヒョンside
女子A
先輩、一緒に帰りません?
耳が痛くなるような高くて、甘い声

ベタベタと体を触られて、拒絶をした時
あなた

ダニエル…

確かに、あの子の声が聞こえた気がして

声のした方を向くと、そこには
ミニョン
ミニョン
あなたちゃん…?
可愛くて、ふわふわしてて…

小動物みたいなあの子が

初めて会った時に泣きそうな顔で謝ってきたあの子が

ゆらゆら視線を揺らして、俺の目をとらえた

あなたちゃんの近くには
もう1人、男がいて

そいつの大きな手の中に

あなたちゃんの、白くて小さながあった

それを見た瞬間に ズキン と痛む胸

彼女と会話する度に膨らんで、大きくなった恋心が

淡く、淡く、色を無くした







ダニエル
ダニエル
俺の片想いですよ
片想いしているのは俺だって同じだ

1年間、ずっと隠し続けてきたんだ…

…ねぇ、あなたちゃん

こっちにおいでよ

好きだよ.大好きなんだ





ミンヒョンside end
ミニョン
ミニョン
あなたちゃん……好き


優しくて、かっこよくて、ずっと、憧れだった先輩


ダニエル
ダニエル
あなた…俺はずっと、好きだったんだよ…


いつも私を守ってくれた幼なじみ


張り裂けそうな心臓

ドキドキしすぎて、声が震えそう…

でも…言わなきゃいけないよね…




私…私が好きなのは……







ねぎさんのリクエストでしたっ!
書いてみたけど思ってたのと違ったらごめんなさいっ.

あとは、あなたちゃんが考えて下さいっ.((おい

投げやりな作者を許してねっ.♥((殴

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