私side
私には誰にも言って来なかったある事情がある。それは…妹を殺した事だ。正確には私じゃない…。
私と妹は母子家庭で育った。中学生の時に母が男を連れて来た。そこから母の様子が変わって行った…。
夜の仕事に母は行くようになり家を開ける事も多くなった…。母が仕事行ってる間はその男に手をあげられ…私は妹を守ってた。
でもある日に学校が遅くなり家に急いで帰ったら…、
志保は血を流し倒れもう既に亡くなってた…。他殺で後に逮捕されたのはあの男と…母だった…。母曰く妹と私が邪魔だったみたいだ。付き合うのに…。母はあの男に洗脳されてしまってた…。とくの昔に…。あの男は笑ってた…。
私は結局志保を助けられ無かった…。私なんてどうだって良い…。身体の弱かった志保…。死ぬ前どんな気持ちだったのだろう…。
恐らく抵抗なんて出来なかったはずだ…。大人になって今も私は後悔をしてる…。あの日学校が遅くならなかったら…って…。
そして私は警察官になった…。志保の為にも…。私達みたいな家庭が少しでも少なくなるように…。
言えない…志摩だけには…。志摩だけには言えないよ…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。