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第1話

病気
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2018/02/12 08:22
「拝啓、親愛なる貴方様______」



久々に見た君の丸みを帯びた癖字


最後に君を見たのは3ヶ月ほど前の学校で、
少し暑くなってきたからか校舎裏の木の陰

付き合っていたのにわざわざこんな所に
君は僕を呼び出して

笑って僕に告げた言葉



__それが最後の言葉、




「ごめん、貴方ともう付き合えないの」



え…?

「なんていうのかな、貴方は優しすぎるの」
「私と合わなかったのよ、別れよ」


優しいと、好きだと、僕のことを、

もうすぐ付き合って1年になるのに
今、までのは………全部、

「全部嘘よ」

笑わないで、大好きなその笑顔で、




それから彼女は学校に姿を現さなくなって
8月の病室で君と再会した




冷たくなった君は、
最後に何を思っていたのだろう

訳が分からない僕に渡された手紙を読んで、彼女に泣きついた





「__病気のことも別れたくないことも、どうしても言えなかった
優しすぎる君が大好きだったの
悲しむ所なんて見たくなかった
嘘ついて、ごめんね________」



馬鹿だなぁ、
優しすぎるのは君だよ




そっと呟いて

ぴくりとも動かない君の手に、口づけをした

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