第11話

二章 六節
82
2019/12/31 14:20


 (はぁ…はぁ…どうしよう。どうしよう。どうやったら戻れるのかな?怖い、捕まったら何させられるか分からないわ。どうしよう。)

私は完全に混乱していた。ふーかの笑顔が怖かった。少なくとも私の知っているふーかではない。私とアランが話していたふーかは、風を操れる優しい女の子で、あんな狂気染みた笑顔を浮かべるような人?ではない。

「おー……だ……」

誰かの声が聞こえてくる。誰だ…この声は…??いや、この声は…聞き覚えがある優しい声、もしかして…?

「アラン!?アランなの!?」

私は必死になって彼の名前を叫んだ。届いて、この声!

「リティ!良かった…掃除してたかとおもったらいつの間にかこんなところにいてさ、困ってたんだ」

やはりアランであった。良かったよ…。だが、ここでひとつ疑問に思った。こんな所…って言ってるってことはファンタジーワールドのこと、覚えてないのかしら?それかまだ誰にもあってないのかしら?

「とりあえず、ここはどこだか知っていたりしないか?リティ」

アランは訪ねてくる。

「突然のことで、信じられないかもしれないけど聞いてほしいことがあるの。」

そういい、私は今までのことを話始めた。てふぃーやあふぃーにあったこと、ふーかとけふぃあにあったこと。ふーかの笑い方が狂気染みたものだったと言うこと。いきなり怖くなって逃げ出したこと。その、全てを

「そっか…この世界どこかで見たことあると思ったら…ファンタジーワールド…だったんだな。それでふーかか…何か嫌な予感がしたんだな。OK、大体理解した。リティは質問とかあるか?」

今度は私に質問を投げ掛けてきた。私は率直に思ったことを口にする。

「アランはこの世界から出る方法とか何か知っていない?一応きいておきたいの。」

「残念ながら…聞いてきたってことはリティも知らないんだな」

アランは残念そうにいった。私は反射的に謝ってしまう。

「ごめんなさい…」

「別に謝ることではないよ。」

アランは優しいいつもの声で言ってくれた。

「じゃあさ、リティとりあえずこの辺り探索しようぜ、」

「そうね」

アランと一緒ならきっと大丈夫。こうして、探索の時間が始まった。

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