第143話

#143
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2024/03/06 06:46





俺はそれから京都に行くことは少なくなった














それから何年か














人並に恋はしたし、彼女も出来た
















でも心の中にはいつもあなたのことが引っかかっていた















運良く俺も東京に引っ越すことになり、














それからしばらくして、俺は親にあなたのことを聞いた














浮所 飛貴
浮所 飛貴
あなたってどうしてるのかな
飛貴の母親
…どうしたの?
浮所 飛貴
浮所 飛貴
どうしても心残りなんだあなたのことが
飛貴の母親
…元気に暮らしてるそうよ
浮所 飛貴
浮所 飛貴
…知ってるの?
飛貴の母親
東京に引っ越してきたから、あなたちゃんのお母さんと偶に話すのよ
浮所 飛貴
浮所 飛貴
そう…だったんだ
飛貴の母親
あなたちゃん、飛貴と同じ高校ですって
浮所 飛貴
浮所 飛貴
え?







幻かと思った












こんなことあるのかと














浮所 飛貴
浮所 飛貴
本当に?
飛貴の母親
ええ
浮所 飛貴
浮所 飛貴
じゃあ会える…
飛貴の母親
でもね、あなたちゃん健忘症で京都の記憶が無いんですって
浮所 飛貴
浮所 飛貴
健忘症…?
飛貴の母親
あなたちゃんあの事件のストレスで目が覚めた後も苦しんで、東京に来て数ヶ月後には京都のときの記憶がなかったみたいなの
浮所 飛貴
浮所 飛貴
じゃあ俺のことは…
飛貴の母親
忘れてると思う
 







嘘だろ…?


















会いたいのに…忘れてるなんて






















…それなら、
















創ればいい























友達のツテを使ってあなたのロッカー番号を教えて貰った














そのロッカーに「明日の放課後体育館裏で待っている」と書いた手紙を入れた
















その次の日体育館裏に行くとあなたがいた















やっぱり…大きくなったけどあの頃のままのあなただ
















…って待って呼び出したけど何も考えてなかった!!!!!!!













どうしよ…えっと…














浮所 飛貴
浮所 飛貴
あの…手紙読んでくれましたか?
柳田 あなた
ええ、読みましたけど…
浮所 飛貴
浮所 飛貴
えっと…あの…







どうしよなんて言おう…














柳田 あなた
…大丈夫です?
浮所 飛貴
浮所 飛貴
大丈夫です…



えっと…僕…僕…














あ!これだ!





























浮所 飛貴
浮所 飛貴
僕に貴方の血を吸わせてください!

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