第107話

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2020/10/04 10:50
JSside




JS「この子に合う服をお願いします」




その一言で次から次に運ばれてくる幾つもの洋服
スカートから、ズボンから、ワンピースまで色々と




You「じすの」


JS「違うよ笑これはあなたのだよ」




真面目の顔でそんなことを言うあなたの頭を撫でた





SC『俺あなたにちゃんと伝えることにした』





そうクプスに言われたのはつい最近

改まったようにドアを開き入ってきて、少し緊張しながらそう言ったんだ

なぜそれを僕に言ってきたのか…まぁ大体想像はつくけど




JS「んーあなたこれとこれとこれ、着てみて?」


You「おきがえ?」


JS「そう、お着替え」




カーテンの奥に消えていった彼女を見送り携帯を取りだす

フォルダを開けばメンバーたちの写真の中に、ある時期から加わった彼女の写真があった

ご飯を一生懸命食べている写真に、本を逆さに持っている写真、ウジュと遊んでいる写真に、あの日道端に咲いている花をじっと見ている彼女の写真

けどどの写真もこちらを見てくれているものは無い




JS「…当たり前か。笑」




彼女が見ていたのはずっと、初めて会った日から僕じゃなかったのだから




You「じす、」


JS「…」


You「これ、ちがうふく」




薄い青色のワンピースを着たあなた

あぁ、もう本当に。




JS「…似合ってるよ、凄く。」




なんでこんなにも心を惹かれてしまうのだろうか

きっとこの気持ちをなくしていくのは簡単なことじゃ無いんだろうな、なんて他人事みたいに考える

でも…




JS「綺麗だよあなた)




この気持ちを口にするのはこれが最初で最後




JS「どんな花よりも、もっともっと綺麗だよ」


You「じす…?」




大切なクプスと、大切な妹の幸せのためにこの気持ちには蓋をしよう

だから、誰にも知られないように










JS「 You are irreplaceable to me. あなたは僕にとってかけがえのない存在










あなたの知らない言葉で

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