JSside
朝目がさめると、隣にいたあなたの姿がなく急いで部屋を出た
JS「……」
いた…
あの花束を両手で持って、ソファーの端に座っているあなた
JS「おはようあなた。よく眠れた?」
You「…」
ソファーの前に回り込み顔を覗き込むように座る
…泣いた?
JS「…どうしたの?怖い夢でも見た?」
You「…」
JS「…」
目を合わせようとしないあなたの頬をそっと撫でるとぽろっと一粒だけ涙がこぼれ落ちた
JS「…泣いていいよ。嫌なことがあったんだね…」
You「…っ」
何であなたがこんなに苦しい思いをしないといけないんだろう。
無意識に伸ばしていた腕を引いて、あなたの手を握った。
JS「今日クプスと話すといいよ。クプス、あなたのこと大好きだもん。きっと聞いてくれるよ?」
あなたを抱きしめるのは僕の役目じゃ無い。
あなたもそれを望んでいないだろうから。
JS「その花…クプスにあげるんでしょ?」
You「…」
JS「せっかくあなたが選んだんだから、ちゃんと渡さなきゃ」
アスターの花束
あの時、店の店員から青のアスターの花言葉を聞いた
あなたの気持ちをそのまま表した花だと思った
JS「きっと喜ぶよ」
You「…」
あなたの瞳と同じbleuのアスター
美しいあなたにぴったりの花
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。