第95話

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2020/10/04 08:41
SCside




白いベッドの上

管に繋がれ眠っているあなたはとても綺麗だった




JS「クプス、あなた2.3日で目が覚めるだろうって」




少しも動かないその姿は血の流れていない人形のようで怖くて…




SC「っ…」


JS「大丈夫。せっかくクプスが戻って来たのに、あなたが起きないはずがないでしょ?
この日を、クプスに会える日をすごく楽しみにしてたんだから。」




握った手を離すことができない

離してしまったら今度こそあなたと会えなくなってしまうんじゃないかって思ってしまうんだ。




JS「…ミナちゃんのことは事務所に報告した。あなたの事を公には出来ないから警察に通報までは出来ないけど、それなりの処分が下されると思う。僕は今から事務所に行ってくるから、クプスはあなたの側に居てあげて」


SC「…うん」


JS「きっとあなたも目が覚めた時に喜ぶから…じゃあ行ってくるね」




ぽんって、頭を撫でてくれるジス

落ち込んでる時、泣いてる時、嬉しい時、よくみんなの頭を撫でる

色んなことがあっても、ジスは俺の見捨てることはなかった




SC「ジス」




きっとジスもあなたの側にいたいはず

ジスの気持ちなんて言われなくても分かっていた。

俺たち家族でしょ?

一番長く一緒にいるんだから




SC「…ありがとな」


JS「別に、大切なのはあなただけじゃくてクプスも同じだから」


SC「うん、」


JS「…次泣かせたら命は無いと思っておいた方がいいよ?笑」


SC「うん、俺が幸せにするから大丈夫」




この感情は誰にも抑えられない

だからこそ、今度は真っ直ぐに伝えなきゃ


笑顔を見せるジスに、俺も笑ってみせた



病室の窓からすーっと風が入ってきて

花瓶に飾られアスターの花束が小さく揺れた。

まるで優しく笑っているかのように







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最終話まで書けているので今日完結させちゃいます!
なので更新ばんばんしちゃうかもしれないです。
ごめんなさい。

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