第94話

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2020/10/04 08:41
SCside





走って

走って

心臓が張り裂けそうなくらい走って

早くあなたのところに行かなきゃって

側で守ってあげなきゃって

そう思ったのに




SC「…!?」


*「危ないので下がっていてください!」




崩れ落ちているセットがそう簡単には合わせてくれなかった




SC「あなた…、?」


*「あ!スンチョルさん!!」




力が入らなくてすくんでいる足を必死で動かして

スタジオの中央まで歩いていく




JH「クプス!!」


SC「は、ハニ…あなたが…あなたが…!!」




一番酷く壊れている場所

そこから見える白い腕に涙が止まらなくて、手の震えが止まらなくて

ただひたすらセットを退けながらあなたの名前を呼んだ




DN「ヒョン!しっかりしてください!!早くあなたをここから出さないと!」


JS「みんなも手伝うよ!」




すぐに他のメンバーも、スタッフも来てくれて
少しずつほ あなたの姿が見えてくる。



真っ赤に染まった額

目を瞑ったまま力なく横たわるあなたの姿

あなたに苦しんでほしくなくて、ただ幸せでいて欲しくてしたくだした判断が、結果的にこんな酷い目に合わせてしまった。

何してるんだろう俺…



衣装が汚れるのも気にせずにあなたを抱き上げる。




SC「あなたっ…ごめんっ、ごめんなっ…ごめんっ…」




その言葉にあなたが返してくれることは無かった。

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