SCside
ぽた…
ぽた…
手に伝うこれは…水?
温かい…とても…
.
.
「…、…ス!!クプス!!」
SC「!?な、何…?!」
強く揺さぶられて体を起こす
あれ…俺、寝てたんだ
目を擦り、眠気を覚ます
JS「あなたがいなくなった…、」
SC「…え?」
JS「あなたがいないんだって!」
ジスの言葉に一気に頭が覚醒していく
握っていたはずのあなたの手は無く点滴の針はぶら下がったまま
ポツポツと血の跡がシーツに染みを作っていた
JS「今みんな探してる。車も無いし、怪我もしてるからそう遠くは行ってないはずだけどって、ちょ、クプス!!」
ガタッと音がして椅子が倒れた
なんで…?
なんで…っ
SC「あなた!!!」
病院内で大声を出し途中で怒られ
*「スンチョルだ!」
携帯を向けられて写真を撮られ
SC「あなた!!!!」
でもそんなの気にしてられない
あなたが一人でいるんだ
何も知らないこの場所で一人
きっと怖がって泣いてるかもしれない
早く…早くあなたの所へいかないと!
病棟も食堂も広場も
どこを探してもあなたの姿は見えなくて
このまま闇雲に探してもダメだと足を止める
頬を汗が伝いぽたっと床に落ちていった
SC「くそっ…」
ぼた…
ぽた…
さっきまで見ていた夢
膝についていた自分の手が目に入った
SC「っ…」
"くぷす"
そこには濡れた痕が残っていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。