蘭 side
何故か俺は新幹線の中で寝ていた
何故か俺の隣にはあなたの下の名前が居ない
トイレか?と思い五分ほど待ったが戻ってくる気配はない
スマホの電源が着いていた
スマホの通知欄に【位置情報】とあなたの下の名前からメールが届いていた
あなたの下の名前のGPSはここより3つ前の駅周辺にあった
そして目に入ったのはメールの内容だった
蘭ちゃん
私、急用ができたの。ごめんね。探さないでって言っても蘭ちゃんは多分私の事探すと思う。でも本当に来ちゃダメなの。絶対殺されるから。蘭ちゃんに死んで欲しくない。探さないで。
一度深呼吸をして次の駅で降り、タクシーで××駅に向かうことにした。
何を飲んだ?食べた?
優しそうな顔の男を思い出した
俺は怒りと焦りがごちゃ混ぜになって謎の恐怖心に駆られた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!