第7話

朱里
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2018/10/23 09:27
お姉ちゃん
お姉ちゃん
「―り、あかり、朱里!」
アカリ
アカリ
わっ!?
私の名前を呼ぶ声が聞こえると同時に、頭に軽い衝撃が走った。
お姉ちゃん
お姉ちゃん
人の話はちゃんと聞く!
眉をつり上げて怒っているのは、私のお姉ちゃん。
どうやらチョップをくらったようだ。
アカリ
アカリ
ごめんごめん、ぼーっとしてて…
誤魔化すように笑ったけど、お姉ちゃんは険しい表情のままだ。
お姉ちゃん
お姉ちゃん
何よ最近。何言っても上の空だし…もしかして、恋でもした?
その言葉を理解するのに、数秒時間を要した。
アカリ
アカリ
はぁ!?
理解した途端、私は素っ頓狂な声を上げた。
姉のその「恋」という単語が、頭の中でぐるぐるする。
アカリ
アカリ
な、何で恋…?
頭に浮かんだ疑問をそのまま口にすると、姉が悪戯っぽく口角を上げて私を見つめた。
お姉ちゃん
お姉ちゃん
あら、図星?
顔真っ赤よ
アカリ
アカリ
えぇっ!?
私は反射的に、隠すように手で顔を覆った。
お姉ちゃん
お姉ちゃん
冗談よ。
その反応、もしかして本当に恋~?
その言葉を聞いた途端、脳裏に優里の姿が浮かんだ。
見えては、隠れ。見えては、隠れ。
ゆらゆら、ゆらゆら。
姉は私の反応を面白がるように、身を乗り出して続けた。
お姉ちゃん
お姉ちゃん
誰?誰?相手は誰なの?あたしの知ってる人?
その目から、好奇心の色が見て取れる。
私は、言葉に詰まった。
アカリ
アカリ
わかんない…恋が何なのか、わかんない
ゆらゆら、ゆらゆら。
お姉ちゃん
お姉ちゃん
ん~そうねぇ…独占したいって思ったら、それは恋ね
アカリ
アカリ
独占?
よくわからず、姉の言葉をそのまま復唱する。
お姉ちゃん
お姉ちゃん
自分以外の子と話してるのやだなーとか、ずっと一緒にいたいなーとか。
やっぱり、また、ゆらゆら、ゆらゆら。
アカリ
アカリ
私、宿題してくる
お姉ちゃん
お姉ちゃん
ちょっと!逃げる気ぃー?
姉の声を無視して、私は部屋に逃げ込んだ。
私は、優里が、好き。
わかってる。
でも、これが、恋…?
そう思った途端、頬がみるみる熱くなった。
頭に浮かぶ優里が微笑む度、鼓動が高鳴る。
あぁ、これは。そうか、そうだったんだ。

私は―優里に、恋をした。

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