プリ小説

第8話

優里
終業のチャイム。
周りの人がまばらに席を移動し始め、徐々に教室が騒がしくなる。
私はすぐにでも朱里と話したくて、彼女の姿を探しながら立ち上がった。
ドア口に、朱里は立っていた。
誰かと、話している。
朱色のネクタイだから、きっと3年の先輩だ。
男の、先輩。
胸がチクリと痛んだ。
胸の奥が、モヤモヤする。
ざわざわ、ざわざわ。
気付いたら、男はどこかへ行ってしまっていた。
朱里がこちらに気付き、楽しそうな顔で近付いてくる。
アカリ
アカリ
優里!小テストどうだった?私古文が全然わかんなくって…
朱里の話が、右耳から入って、左耳へ抜けていく。
ユリ
ユリ
…朱里、今話してた人、誰?
私は、聞いた。聞いてしまった。
アカリ
アカリ
え?あぁ、部活の先輩。今日のアップどうするかって話してた
それを聞くと、みるみる心の霧が晴れる心地がした。
ユリ
ユリ
なんだ、そっかぁ
思わず、笑みがこぼれた。
すると、朱里が私の顔を覗き込んで、悪戯っぽく笑って言った。
アカリ
アカリ
優里…もしかして、嫉妬?
嫉妬?…私が??
ユリ
ユリ
え!?
そう思ったら、頬が火照るのを感じた。
朱里はにやにやしながら私の顔に手を伸ばす。
私の頬に触れながら、朱里は呟いた。
アカリ
アカリ
かぁわいい♡
恥ずかしくて、もうどうしようもなくて、私は俯いた。
私は、私の心は、とてつもない高揚感で溢れていた。
彼女には、私だけを見てほしい。
他の人と話しているなんて、絶対嫌。
他の人と一緒にいるなんて、絶対嫌。
奪われたくない。
他の人になんて、渡したくない。
朱里は、私のもの。
朱里の全てが、私のもの。
朱里。朱里朱里朱里朱里。
朱里。
私の、朱里。

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三池ひまり
三池ひまり
バドエン好きです。 よろしくお願いします
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