第2話

優里
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2018/10/18 13:51
アカリ
アカリ
ゆーりっ!おっはよ!
彼女の凛とした声が、私のぼうっとする意識を呼び戻した。
ユリ
ユリ
朱里、おはよう
1番の友達。大好きな友達。私にとって、欠かせない存在の朱里。
朱里の笑顔を見るだけで、疲れなんて何処かへ行ってしまう。
その眩しすぎる笑顔に、思わず頬が緩んだ。
学校に着くまでの道のり、テストがヤバイとか、面白い漫画の話とか、そんな他愛もない話をしながら、のんびり歩く。
私は、この時間が好きだ。
もっと言えば、彼女といる時間、一分一秒、ほんの一瞬、その全てが、たまらなく好き。
アカリ
アカリ
ふと、朱里が小さく声をあげた。
朱里の視線の先を追うと、私達の前を、男子、というのか、男性、というのか。
高校生くらいの二人組が歩いていた。
手を、繋いで。
ただの友人とは思えないその距離に、私達は暫くの間、言葉を失った。
ユリ
ユリ
朱里は、さ…どう思う?ああいうの…
私は声を潜めて、そう彼女に問いかけていた。
私は、何を言っている…?
アカリ
アカリ
え、…
朱里は、怪訝そうな顔で私を見たあと、少し考え、言葉を選びながら言った。
アカリ
アカリ
ちょっと、アレかな…
曖昧な顔で、彼女は微笑んだ。
そうか。やはり、そうだよね。普通、そうよね。わかってた。
わかっていたけど。ほんの少し、期待していた。
いや、期待したって、どうなるわけでもなかったけど。
徐々に、動悸が速くなる。
アカリ
アカリ
優里?
私の異変に気付いた朱里が、私の顔を覗き込む。
ユリ
ユリ
あっ、私っ…委員会の仕事あったんだった。先に行ってるね
朱里の返事を聞かないまま、私は走り出した。
目頭が熱くなる。
熱いものが目から溢れ、私の頬に筋をつくる。
さて、どうしよう。
これから朱里の顔を、まともに見られないかもしれない。

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