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第3話

朱里
優里は、本当に嘘が下手だ。
委員会なんて、私と離れるための口実だろう。
なぜ、優里が突然、あんな質問をしたのか。
私は、何と答えればよかったのか。
わからなかった。わからなかったけど、自分が彼女の意思に反する返答をしたのは確かだ。
優里のあんな顔、初めて見た。
アカリ
アカリ
なによぅ…
気がついたら、声に出していた。
…私は嘘を吐いた。それが気に障ったのなら、本当のことを言えばよかったのか。
だって、だって言ってしまったら、きっと彼女は、私が嫌いになると思ったから。
自然と、足取りが速くなる。
早く、優里に会いたい。
会って何ができるかなんて、わからないけど。
あの男子高校生の横を、通り過ぎる。
―――羨ましい、なんて、気持ち悪いかなぁ。


 教室のドアを開けると、優里が独りで座っていた。いつも通り、私達は一番乗りだ。
静まり返った教室で、優里は机に突っ伏している。
アカリ
アカリ
優里
私が声をかけると、優里の肩が大きく跳ねて、勢いよく顔を上げた。
ユリ
ユリ
朱里っ…
目が酷く腫れていた。痛々しい程に。
アカリ
アカリ
…委員会は済んだの?
私はまた、騙されたフリをする。
いつもそうだ。
ユリ
ユリ
あ、うん…終わったよ
本当に、嘘が下手だ。
ぎこちなく微笑んだ優里の手は、先程から毛先をいじるのに集中している。
後ろめたいことがあるときの、彼女の癖。
アカリ
アカリ
嘘つき
私が小さくそう呟くと、優里は大きな目をさらに見開き、私を凝視した。
優里に口を開く隙も与えずに、無理矢理手を引き立ち上がらせた。
ユリ
ユリ
あっ、朱里…?どこに…
優里の手を引きながら、立ち止まらずに答える。
アカリ
アカリ
保健室
ユリ
ユリ
な、んで…
混乱した優里の問いに、私は彼女の顔をしっかり見ながら言った。
アカリ
アカリ
目の腫れを何とかしなきゃ。可愛い顔が台無しでしょ?
私は、ちゃんと笑えていたんだろう。
優里は、真っ赤な顔を隠すように俯いた。
ほら、可愛い。
好きだなぁ。

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泉 まひる
泉 まひる
バドエン好きです。基本壁打ち。 だらだらもちもち書いています。
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