第13話

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2019/10/09 13:00
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ホンソク
ホンソク
[えーーと、、なんていうか、さ]



彼はアイドルを目指している人。

そんな彼が、あなたの家の玄関で言う。



ホンソク
ホンソク
[お前が好きだよ
あなた]
あなた
あなた
ま、まじですか!





出会ったのは高校1年の終わり



気持ちを自覚したのは高校2年の夏



それから悩んで悩んで


アイドルを目指しているということを理由に逃げて






それでもどうしようもなくなって

かっこ悪い告白をしたのが高校3年生の春だった

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あれから5年








あなた
あなた
えぇ、ホンソクのグループのリーダーさんですか!?
は、はじめまして!
フイ
フイ
やー!初めましてー、フイでーーす!









あなたは、今年22歳になった











あなた
あなた
おかえりなさーい!

今日もこっちに帰ってきたの??
ホンソク
ホンソク
うん、やっぱりあなたといたくて……
あなた
あなた
ふふふ、嬉しいこと言ってくれるね!

もうご飯出来てるから食べよ!
ホンソク
ホンソク
うん、、

ありがとう









あなたは、人タラシである



高校時代、嫌という程見てきたその性質は、大学四年生になった今でも変わらず



彼女が子供達のお世話をすれば、翌日から徐々に人数が増えたのだ



更には、その子供たちの親御さんにも気に入られ時たま飲みに誘われるだの大学でだってその調子で、飲みに行っては酔っ払いながらも他の人に支えられ帰ってくる


高校を卒業して僕はアイドルに、あなたは大学進学
僕の知らないところであなたはどんどん交友関係を広げて行って、見知った顔で溢れていたあなたの周りも今じゃ知らない人の方が多い




それが嫌だって思うのは、僕の我儘だろうか







あなた
あなた
そういえば、土曜日友達に誘われてるから、ちょっと出かけてくるね
ホンソク
ホンソク
……それ今言う?
あなた
あなた
だって今言わないと忘れそうなんだもん





彼女に抱きつきながらテレビを見ていた僕に、彼女はそういった。
ホンソク
ホンソク
……まぁ、いいけどさ、程々にね?
あなた
あなた
うん!



「行くな」と言えば馬鹿正直なこの子は行かないのだろうけど
ホンソク
ホンソク
💭それでもあなたを引き止めないのは、僕が余裕ぶっていたいからか



それとも言って幻滅されるのが怖いからか




あなた
あなた
……?
ホンソガ?


こんなに近いはずなのに


ホンソク
ホンソク
なんでもないよ(クスッ










あなたがどんどん離れていく

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