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彼はアイドルを目指している人。
そんな彼が、あなたの家の玄関で言う。
出会ったのは高校1年の終わり
気持ちを自覚したのは高校2年の夏
それから悩んで悩んで
アイドルを目指しているということを理由に逃げて
それでもどうしようもなくなって
かっこ悪い告白をしたのが高校3年生の春だった
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あれから5年
あなたは、今年22歳になった
あなたは、人タラシである
高校時代、嫌という程見てきたその性質は、大学四年生になった今でも変わらず
彼女が子供達のお世話をすれば、翌日から徐々に人数が増えたのだ
更には、その子供たちの親御さんにも気に入られ時たま飲みに誘われるだの大学でだってその調子で、飲みに行っては酔っ払いながらも他の人に支えられ帰ってくる
高校を卒業して僕はアイドルに、あなたは大学進学
僕の知らないところであなたはどんどん交友関係を広げて行って、見知った顔で溢れていたあなたの周りも今じゃ知らない人の方が多い
それが嫌だって思うのは、僕の我儘だろうか
彼女に抱きつきながらテレビを見ていた僕に、彼女はそういった。
「行くな」と言えば馬鹿正直なこの子は行かないのだろうけど
それとも言って幻滅されるのが怖いからか
こんなに近いはずなのに
あなたがどんどん離れていく
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。