彼の苦く鼻を突く香りが私の理性を余計に犯し尽くしていく。まるで精神ごと抉り取られるようだった。
喉の奥に刺さる彼の硬くなった肉棒が私の下の上を行き来する。容赦ない荒々しい行為と共に、彼の洋服で堅く縛られた手首が余計に私を燃え上がらせる。お陰で既に床は私の甘い蜜で満たされていた。
「嬉しいか? 気持ちイイか?」
「んッ、プッ、は……ンッ、ん………ふぁ……あン……ッ」
「………本当淫乱な子猫だ事」
見知らぬ“イケメン”に腔内を犯されながら下品な言葉を振り掛けられていると思うと、私の全身から汗が滝のように溢れ出る。気持ちイイ、気持ちイイのよ………。
―――堪らない。
焦らされていると思うと、苛められていると思うと全身が痺れるように熱く燃え上がるのだ。
「ッあ……」
「………何だよ、物欲しそうにしてさ?」
突然私の喉奥から引き抜かれた彼のピストル。急に止められるとどうも欲しくて堪らなくなる。
「だ、だって………んッ……!」
「こんなに濡らしてさぁ………どうすんの?」
色白の綺麗な足先を私の秘部にあてがい強く押し付ける。それに私は「あッ、やぁ………ッ!」と喘ぎ声を上げながら応える。
「ま、いいけどさ」
「え………ッ」
目を丸くさせる私の耳元へ顔を近づけると、彼はぬるりと舌で耳を舐め上げた。ゾクゾクと身震いしながらも思わず声を上げた。
そんな私を楽しむかのように目を細め私の顔に自身の顔を近付かせる彼。イマイチ意図が読めない。
「なぁ………何処に“刺されたい”?」
「へ―――ッ」
私の顎を人差し指で優しくなぞりながら、怪しげにそう囁いた。先程押し付けられた秘部が主張するかのように疼き出す。
「そんなの………決まってるじゃない」
「ふぅん?」
「全て私の“ナカ”に吐き出してよ―――。貴方の欲望と共にさ、ありのままに……全てを」
ニヤリと口元を緩めた彼が、私の身体をその場に押し倒した。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
伊野尾さんのような優しくもずる賢さとは違う、貪り食うような野蛮さとドエスさがそのまま滲み出ているようだった。
硬くナカを押し広げていくような太さのあるピストルが、強く強く私のイイ所に何度も刺さり、思わず腰が浮いてしまうような快感が子宮の奥から突き上がってくるようだ。
「んは……ッ、ん……あッ、や………ッ」
息を荒らげながら、乳首を捻り、腰を突き上げ、甘く蕩けるような深いキスを交わす。
そんな彼が与える強い快感というのは、より私を雌にさせる。薄暗い太陽の光に照らされる彼の顔は、恐ろしい程に美しく見えた。
「――――俺の事好きになれよ」
「なん………でッ」
彼の額から流れた汗が私の頬に零れ落ちる。刃物のような尖ったもので貫かれたような強い痛みが私の胸元を走った。
「俺はお前を誰よりも“満足”させられる。と思う」
彼の唇が私の唇に優しく触れた。
その瞬間、全身に痺れるような強い電撃が流れるのが分かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!