第8話

孤独なシンデレラ 1-①
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2019/01/11 09:34










私はシンデレラ。
















突然だけど、私のお友達になって?

















「え?何で」って…?











それは、私は独りだから。


















「シンデレラはお姫様になったんだから友達くらい
 いるでしょ」

って…?












いないから言ってるの!























ああもう!!















一国の姫になったら、忙しすぎてお友達を作る暇なんて
ないんだもの!




















いっその事、平民だった頃に戻りたい!!














あの頃は友達がいたから…























どうして、私がお姫様になって物語は終わったの…
















作者はその結末が「私にとっての幸せ」とでも思ったの…?




















はあ、





























『物語が終わらなければ』いいのに。



























____________________________




























???
シンデレラさーん。
おーきーてー。
シンデレラ
ん…



シンデレラは誰だか分からない声に起こされた。











フカフカなベッドの中、真っ白なシルクのパジャマに

身を包まれたシンデレラは目を覚ました。
シンデレラ
誰…?


まだパッチリと開かない目をこすりながら、
シンデレラは尋ねた。





コウ
僕はコウです!
シンデレラ
コウ……?



聞いたこと無い名前…





とシンデレラは思った。




シンデレラ
てかちっちゃ!!




ようやく目を覚ましたシンデレラは驚いた。









コウは10センチ程しかなかったのだから。







コウ
なんせ、僕は「妖精のようなモノ・・
ですから!
シンデレラ
「ような」…?
シンデレラ
妖精じゃなくて?
コウ
こっ、細かいことはいいんです!
コウ
それより、シンデレラさんは
『物語が終わらなければいいのに』
って思っていましたよね??




コウは少し慌てた様子で、シンデレラに尋ねた。





シンデレラは少し不思議に思いながらも、





シンデレラ
ええ。



と答えた。





コウ
それなら、1つだけ物語を終わら
せない方法がありますよ!
シンデレラ
本当に!?
コウ
はい!





コウはニコニコしながら言った。
















『物語の登場人物を、全員殺せばいいんです。』







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