第17話

憂鬱な眠り姫 1-①
75
2019/03/26 09:59









私の人生は、呪いと願いに縛られていた。













16歳で、糸車の針に刺されて死ぬ呪い。








死ぬのではなく、100年の眠りにつく願い。











妖精さんってさ、本当に勝手だよね。


















私の運命を決めつけて、魔法で私を支配して。




























もう100年、いや、もう1000年くらい眠っていたかったのに。


























『物語が終わらなければ』、もっと眠っていられるかなぁ…

































____________________________






































   


眠り姫は呆れていた。




長々と続く大臣の説教を。






「いいですか?一国の姫たるもの、常に姿勢を正し、礼儀良く…」




ちょこんとわざとらしい髭をはやした大臣が、顔を
真っ赤にさせて眠り姫に話している。






『姫!?聞いてますか!?』









眠り姫
う〜ん…
眠り姫
眠らせてよ〜…







起きたばかりの眠り姫。










睡魔に耐えられず、再び眠りについた。










































眠り姫
……………?


眠り姫は小さな違和感に目を覚ました。



さっきまでお説教をしていた大臣がいない。

不自然過ぎるほど静かないばらの森に、眠り姫は
立っていた。




暗い森。

血の匂い。

小さな違和感。







眠り姫
ここどこ……?


すると、手のひらほどしかない小さな妖精が眠り姫の
前に現れた。




コウ
こんにちは!
眠り姫
こん、にちは?
コウ
僕はコウというものです!
コウ
眠り姫さん、『物語が終わらなければいい』
って思ってますよね?
眠り姫
物語……。



〈そうだ、私は物語の主人公…。


 主人公……〉






コウ
そんなあなたに良い情報です!
眠り姫
なに?






『登場人物を全員殺せば、物語は終わりません』







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