シンデレラは泣いていた。
その後、召使いを何人も殺したのだから。
しかし、シンデレラの涙は報われず。
人を殺したことによる罪悪感だけが募っていった。
自らが望んだことなのに。
こうなることを知っていたはずなのに。
シンデレラの目から涙は止まらない。
『物語ノ未完結ヲ望ンダノハアナタデスヨ。』
『何ヲ今更泣イテイルノデス。』
誰かの声が 聴 こえる。
声の主は…
プラネットの精霊だろうか。
まあ、どうでもいい。
シンデレラは、友達さえいればいい。
孤独感を無くす為の、友達が。
そのためには物語の登場人物を皆殺しにしないといけない。
シンデレラは泣いている暇など無いというのに、
未だ床に座り込んで泣いていた。
すると、再びコウが現れた。
シンデレラが顔を上げると、遠くに見えるは召使い達の
虚ろな顔。
シンデレラは泣くことをやめた。
コウはシンデレラの言葉を遮った。
シンデレラは立ち上がった。
再び戦い始めたシンデレラは、もう泣いていなかった。
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シンデレラは剣を振る。
もう涙なんて流さない。
全ては、『友達をつくる為』だもの。
『孤独を紛らわす為』だもの。
『孤独』
それは、シンデレラにとって殺すべき感情。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!