体育祭は見事、k軍の勝利に終わった。
でも、体育祭の一番の思い出は…やっぱり「借人競走」かな。
あの時、良平くんは私を選んでくれた。
しかも『あなたにとって大事な人』という条件で━━━━━━━━━━━
(全員)よろしくお願いします
(全員)さようなら
私たちは荷物を持って廊下に出た。
(明香里・良平) いぇーい!!
昇降口に着くと、私の下駄箱のロッカーが少し開いていた。
(あれ?私…ちゃんと閉めたよね?)
私はロッカーを恐る恐る開けると、そこには1枚の手紙があった。
手紙には何も名前は書いてなかった。
ただ、表紙に
《K組 赤嶋珠莉 さんへ》
と、書かれているだけ……。
一体、誰からだろう。
何の為に手紙なんかを書いてくれたんだろう。
家に着くと、私は急いで手紙の中身を読んだ。
《赤嶋珠莉さんへ》
急に手紙なんて書いてごめんな。
俺はI組“保住有哉”。知ってるかな?
隣のクラスで、学級委員長をやってるから、運営委員会で一緒のはずなんだけど…。
まぁ、そんなことは置いといて、今回は赤嶋さんに伝えたいことがあって、手紙を書いた。
明日の放課後、運営委員会あるでしょ?
その後、校門出ると夢見橋があるの知ってる?そこの橋の下に来てくれる?
そこで赤嶋さんに直接言いたいこと伝えるね。
最後まで読んでくれてありがとう。
また明日ね。 保住有哉。
(えっ……)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。