ワンッ!ワンッワンッ!ウウ~~!
ピギィィイ~ーー!
キラとハクアは、ケファタルトの攻撃をかわすも、Aキック〔変体形・巨大化 〕しなければ、それほどの力もない、間合いを取っている
ユキホは、なだめるように 声をかけるが、子連れのケファタルトは 怒り狂っていて、手がつけられない
ドゥオオオン! バギバキバキっっ!
木々を揺らして、なぎ倒おす!激しく暴れて 頭から体当たりだ!!
ブギァァァアア!!
ユキホに向かって突進してきた!
シャァァアア~ーー!
2メートル以上ある 筋肉質な体を膨らませ、首を振った!
大蛇のように大きく裂けた口を開《ひら》き、威嚇!
羽をバタつかせると、足を高くあげて攻撃を仕掛けてくる!
かなりの興奮状態だ!
グゥ~~グゥ~~ケケケケケケ
奇声を発して、
仲間を呼んでいるようだ
ウウウウ!ガルルルルルル!!
プキィー~ーー!ギャア~~!
キラたちも、ユキホを攻撃したケファタルトに激情して、おたけぶ!
双方、睨み合い、一触即発の事態だ
遠目から、そのさまを見たレオンは つい叫ぶ!
?! グガァァァ!!
ケファタルトが、森の奥へと逃げ込んでゆくと、キラとハクアは その背中を追った!
ザザザザァァ~ーー!
ワンワンワン!!
ユキホも慌てて、それに続く!
息を切らしながらスズカが、レオンに駆け寄ってくる
残念そうなレオン
エップはうれしそうにストーンを眺める
ハチの言葉にラディアは当時を思い返す
ザザザザーー!シュン!
スプラが現れた
そう言うとトランススーツに身を包んで 完全防備で 走り去っていく
レオンを護衛するように辺りを警戒しながら進む
心配するラディアに 振り返るスズカは少しイライラ
スキャルバは速攻ヤジ飛ばしの攻撃
要するに心配なんか要らないのさ、と苦笑いするハチ
なんじゃかんじゃと言いながら、参道の階段に 無事もどり、モービルが待つ 下の駐車場へ と向かう。
グゥルルルル~ ガガガァァア!!
ケファタルトはドラゴンではなく、森林地帯に住む巨大な爬鳥類だ!
バセンジーでは、ワクチン生成に 媒体という大きな役目を果たし、ユキホを救った。
社会性を持ち、群で行動する。
裂けた口から鋭い牙、筋肉質な上半身には翼を持ち、うろこがびっしり生えた大きな足は平坦な場所であれば 瞬間時速100キロを叩き出すと言われている
ギャア~~!ギャアアアア
ケファタルトは、キラの背中や尻に噛みつき、足の爪で引っ掻けて蹴りあげ、激しい頭突きを繰り出す!
ウウ~~ガルルルルルル
数匹から寄ってたかっての 猛攻撃を受けながらも、キラは、一匹のケファタルトの首に食らいついて離さず、とうとう 持ち上げて振り回し、地面に叩きつけた!
ダダァッッ! ギャアアアア!
ケファタルトたちとキラがぐちゃぐちゃに絡み合って格闘する中に、ユキホは割り込んでいく
ピギィィイ~ーー!
ハクアは頭上を飛び回る
ビビビビュュュイイイイイイイ
ウウウィィィイイイーーーン!!!
スプラは 強力なプラズマを放射すると、ケファタルトを撃ち抜いた!
きゅるるる!ギャア~~!!
一羽のケファタルトが丸焦げになってぶっ飛んだ
ガガァァアッドゥオオオン!!
スプラは、不意をつかれて、シールドもできず、ユキホのイーオンを
まともに喰らった!
ドドドーーッ ゴロゴロゴロ…
木々に激突、はね飛ばされて転がってゆく
他のケファタルトは 慌てて逃げてゆく
怒りがアウルとなってユキホの回りに立ちこめる
「 クゥゥゥン 」
シュゥッーン!!
元の大きさに戻り、さらに、二人とも、いつもより小さくなった
戦場や敵地以外で、命令されないキックは禁止だからだ
「 ピキュゥ 」パサパサ ポンッ
キラの頭の上に乗るハクア
「ピキー!」
なにか訴えるようにハクアがバサバサと飛び上がると 羽を動かす
「 グルル ウーわんわん!」
ピロロ~ ぷきゅ~
ハクアが 今度は ユキホの肩にとまる、その胸を優しく撫でると、フワーッと飾り羽を立ち上げて喉を鳴らした
キュ~~ウウン
キラも背中の噛み傷や切られた耳を見てもらい、頭を撫でられると 気持ち良さそうに目を細める
スプラには、三びきが一体感を出して、仲良く語り合っているように見えるが、目の錯覚か? 呆れ果て、立ち上がると 体についた土などをほろう
ガシッ!
スプラをつかんで引き寄せる力は凄まじく、トランススーツが、ミシミシと軋《きし》むほどだった
ユキホはケファタルトたちが去っていった方をみる
グルルルルルルル~
プギィィイイイ~
“まだわからねーのか!くそ人間! 食うぞ!!”
キラとハクアが睨みを効かせて、口を大きく開ける
キラ、ハクア「…しゅん」
キラたちに嫌な顔を向けるスプラ
グォォ!グルルルルルルル
ブギァァァア!!
“冗談じゃねぇぞ!!”
“ マジで食うぞ!!”
ドドオォッバァオォ!!
二匹はAキック〔巨大化〕すると、牙とくちばしをカチカチと鳴らす
ユキホに ドンッと押されると、背後には よだれを流すキラたちが鎮座する
払いのけるスプラ
スプラの デバイスバンドを取りあげて、パチッンと自分の腕に着ける!
わんわん! ピロロ~
そしてユキホは、キラとハクアと共に、気分よく 山を降りてゆく
ピコッン! ウインドウが開く
『 しっかり、掘れよ〰️ー!😃🎵』
大喜びのユキホたちが映る
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!