第33話

25話
442
2021/01/18 10:21
知られたく無かった…
教えたく無かった…
知ればきっと気を使う
知ればきっと傷つく
だから教えなかった




私がこの事を知ったのは鬼龍が刀妖怪である事を知ってすぐだった。それは先代から教えられた。
小鬼はね人々が使っている刀から生まれてきたんだ
桜姫
刀から?
そんなの有り得るのか
正確に言うと刀を使って居た人々の”思い”から生まれたんだよ
桜姫
思い?
無念…と言ってもいいだろうな
それが形を成したのが小鬼だ
桜姫
何で刀じゃなくて小鬼の姿なんだ?
武士達は人々の間で鬼と言われていたからな…未完成な鬼って事だろうよ
桜姫
ふぅん
妖怪主が封印した三妖怪を知ってるか?
桜姫
うん
がしゃどくろ

そして龍!
その鬼と龍が小鬼なんだ
桜姫
???
妖怪となった鬼…今の小鬼の鬼の姿にあたる部分の方はまだ小さな普通の妖怪だった…だが刀に変われば老若男女問わず誰でも切る殺人鬼となってしまう
桜姫
怖っ…
だから妖怪主は封印したんだ
龍…火龍と同じ場所に
そして火龍は思いついた…
同化をしより強力な妖怪になれば封印を解けるのではと
桜姫
同化…妖怪同士が両者納得の上でくっつく儀式…より強い妖怪の方が勝ち相手の力を取り込む事ができる
そう…結局自分から勝負を持ちかけたにも関わらず火龍は負け意識と力は小鬼のものとなった
火龍と同化したことにより力の制御もできるようになったみたいだな
それで封印を破り出てきたところを俺がスカウトした訳だ
桜姫
ふぅ〜ん
先代は桜を持ち上げるとクルクルと高く回した
桜姫
うわぁぁ
ふははっ
桜を下ろすと先代は桜と目線を合わせ真剣な顔で言った
桜…この事はいずれ言わなければならない。今は忘れているがこれは小鬼が乗り越えなければならない試練なんだ
お前がそばで支えてやれ
何と言ってもお前はーーーー

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