無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

20
2021/08/16

第3話

New York

「ごめんな。ミンギュン」

「まぁ、気を…落とすな…。お前なら次もあるよ…。」




俺は、23歳の頃、宇宙探索の試験を受けた。

それは、筆記・実技・チームワークの3つをチーム別に行い、それぞれでチーム内最低点のものは途中であっても失格となる、厳しいものだ。


俺は、最後のチームワーク試験で、チーム内最低点を取り、最後の最後で脱落した。




自分でも、自分が何を考えているのか、わからなくなる時がある。

俺は、誰がどう見てもAB型だ。

突拍子もないことを言って、周囲に驚かれたり制止されたり。


それ故に、あまり自分を理解してくれる人はいないし、何喋っても愛想笑い。無視。そして、自分でも、そんな自分があまり好きでは無い。



チームワーク試験では、1週間をチームと共に過ごす。その間の生活態度など様々な面を、試験官、チームメイトから評価され、その結果を総合する。

みな、失格となった俺に励ましの言葉をかけたが、誰かは俺に最低点を付けた、ということになる。

俺は、全員の評価をかなり高めに書いたんだけど。

まぁ、仕方がないことだ。

誰かは落ちる運命だし、みんなが自分を高く評価してくれるとは限らない。

だからこそ、他のチームメイトの評価を、どうしても厳しくしないといけない。

他を落とさないと、自分が落ちるのだ。

俺のように。


WYATT
WYATT
ミンギュナ、そろそろ学校に来いよ。留年になるぞ。

そうなのだ。

今年就活なのだが、そんな時期にこの経験をしてしまい、宇宙探索隊に入りたくてひた走った気力を使い果たしてしまった。

今、全てがどうでも良くなってしまい、学校には2ヶ月不登校だ。

同い年で仲の良いジェヨンが、2日に1回俺の住むアパートに来てくれる。

その度にご飯などを持ってくるから、母さんといるような気分になって気まずくなる時がある。

MK
MK
えー。めんどいー。
WYATT
WYATT
何言ってんだ!お前のご両親は学校行ってると思って学費払ってんだぞ!学校から実家に電話が入ったら、悲しませることになるぞ。
常に親目線なんだよなー。

MK
MK
はいはいわかりました。
WYATT
WYATT
はいは一回。
MK
MK
だりぃけど、行くかぁ〜。



2ヶ月ぶりの、ジェヨンとの登校。


俺は、そのあと適当に授業を受けて、気付いたら帰りのホームルームになっていた。


MK
MK
ふぁ〜、ねむ…。
WYATT
WYATT
おつかれ〜。


バシン!と背中を叩かれる。

いった。
MK
MK
そんなに強く叩く必要ねぇだろ。
痛いなぁ。もう。
WYATT
WYATT
わりーわりー。


んもう。馬鹿力。


担任
お前らー。飛び級で外国籍の、お前らの4つ下が今日、入学してきた。気抜いてると、追い越されるぞー。
WYATT
WYATT
マジかよ。今まで2個下は飛び級あったけど、4つ下かぁ。
MK
MK
年々人間は賢くなりますねぇ。


適当を言ってみる。


WYATT
WYATT
他人事かよ。お前留年したら、4つ下に死ぬほどバカにされるぞ。下手したら4つ下が1学年上になっちまう。

笑えねー。
MK
MK
頑張りまーっす。


ジェヨンは、やれやれという反応を示した。






MK
MK
なんだ。目つき悪いし涼しい顔してるから、生意気なガキと思ったら。ただの無口くんだね。
WYATT
WYATT
年下にそんなこと言ってて、情けねぇよ…。

ホームルームで各クラスに挨拶で来た、4つ下の少年。

名前忘れちゃった。日本国出身の子。

ちっさくて、ほんと弱々しい感じ。

なのに目付きは鋭い。

担任
お、ミンギュン。よく聞け。今日入学したU、特待で宇宙探索試験に合格してる子だ。お前、8月の試験受けるのか?










何だって…。

WYATT
WYATT
おい!ミンギュナ!!

気付いたら俺は、廊下を早歩きで駆けていた。


そして、「宇宙探索部」と書かれた部室のドアを開ける。


E-TION
E-TION
うわぁ!びっくりした…何だよ急に!!


そこには、部員の一人。

工具を扱う授業で、机を破壊したことで有名な先輩がいた。


俺は、先輩の前にズンズンと歩いて行く。

ダンッ!と音を立てて、先輩の前の机に両手を打ち付ける。


MK
MK
俺!8月の宇宙探索試験、受ける!!!!
E-TION
E-TION
うるっさ!!!!

バタバタと廊下から音がして、ジェヨンが入ってくる。


WYATT
WYATT
おい!待って!!
E-TION
E-TION
なんだなんだ?お前ら?

何が何だか、という感じの先輩。

ジェヨンは、担任の言葉が俺に火を付けたことがわかったのであろう。

俺の顔色を伺っているようだ。

E-TION
E-TION
てか、受ける!って言われても…
好きに受けろよ。

それはその通りだが、そうじゃない。

MK
MK
俺、あの子供に負けられない!
俺も宇宙探索に絶対行く!!
U
U
子供、って僕ですか?



あ、子供ちゃんだ。


E-TION
E-TION
はぁ?Uは既に試験に合格してて、特待で飛び級の優秀生徒だぞ??敵うわけあるか。試験に受かってから言え。

軽く説教される。

MK
MK
知ってます!知ってるけど、この子に負けたくない!!
U
U
…はぁ。そうですか。

この子は俺を見て、言う。

U
U
というか、あなた誰ですか…。



カッチーン。



MK
MK
うわぁぁぁ!!こいつぅ!!
WYATT
WYATT
落ち着けっての!!
E-TION
E-TION
うるせぇなお前ら!!


めちゃめちゃに騒いでいると、部室の扉が開く。

宇宙探索部 顧問
うるせぇぞお前ら!!



顧問に、俺が宇宙探索試験の最終試験で受からなかったこと。

そして、8月の試験を受験する覚悟を伝える。

宇宙探索部 顧問
覚悟はわかった。お前らも、MKに協力してやってくれ。
U
U
はい。
E-TION
E-TION
うーっす。
WYATT
WYATT
へぇ、이션이先輩も、資格持ってるんですね。凄い。
E-TIONが、得意げに胸を張っていう。

E-TION
E-TION
へへ、だろ?去年取得した!でも、ほぼUのおかげ。この子と一緒に勉強した。
WYATT
WYATT
へぇ、二人は知り合いなのか?

E-TIONとUは、顔を見合わせる。

U
U
僕、家に置いていただいてるんです。
MK
MK
一緒に住んでんの??
E-TION
E-TION
そ。二人で。

「敬語いいって」と言うE-TIONと、「ヒョンにそれは出来ないです…」と言うU。

すごく仲が良いのがわかる。まるで同級生のように。

…俺、なんだか二人が羨ましくなって、つい、

MK
MK
じゃ、俺ジェヨニと受ける!
E-TION
E-TION
はぁ?
U
U
へ?
WYATT
WYATT
…はぁ!?

完全に雑な思い付き。

宇宙探索部 顧問
おいおい、相当な意思がないと受からない試験だぞ。今からジェヨンを巻き込んでなんて…。
MK
MK
ね!一生のお願い!仲良いやつお前しかいないんだよ。お前と一緒に受けてるって思うと気が楽じゃん。お願いお願い!!

ジェヨンが頭を抱える。

この光景、何度見たことか。

毎回ごめんね。

U
U
ジェヨニヒョン、宇宙探索は命に関わる仕事です。意思が薄いのであれば、試験を受ける必要はありませんよ。
MK
MK
んーん。ジェヨンは受からなくて良いの。俺が着いてきてほしいだけだから。
U
U
どこまで自分勝手なんですか!!

年下にツッコミをくらう。


WYATT
WYATT
…お前、それでやる気出すか?
E-TION
E-TION
…まさか
MK
MK
出す出す!頑張る!

ジェヨンがはぁ…とため息をつく。

WYATT
WYATT
じゃあ、俺も受けます。
E-TION
E-TION
…やべぇよ。多分こいつ弱み握られてんだ。
U
U
お二人はどういう関係なんです?お友達以上なんですか?
E-TION
E-TION
おい。直球。


ジェヨンはため息つきながら、パイプ椅子の軋む音をたてながら伸びをする。

WYATT
WYATT
別に…友達。


そだねー、と言ってジェヨンに笑顔を向けると、ふっと笑われて、また呆れた顔をされたのであった。