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2021/09/02

第4話

Tokyo
俺は子供の頃、鈍臭いしあまり前に出れない性格だったため、女々しい。女みたい。馬鹿みたい。何も出来ない奴。と、同級生に揶揄われていた。


そんな時、上級生の優しい先輩に助けられた。俺はその先輩が大好きだった。

4つ年上の、いつも3人でいて、みんな校内外から一目置かれる人気者。


それもそのはずだ。
今思えば、その頃から先輩たちは、宇宙探索の調査チームだったらしい。そして、3人は宇宙からの火星撮影に成功した。


火星を覆うモヤに、気圧や気温の大幅な変動が起こることを発見し、それによってロケットの燃料の半分を失ったため火星に降り立つことはできなかったが、予備燃料を多めに積む必要があることや、撮影された写真から見てわかることも多かったため、3人の功績は高く評価された。



そして、あの事件が起こる。



宇宙探索第一部隊は火星に降り立つ直前で、消息を絶った。

先輩たち3人は、もっと自分たちが調査を進められていれば、と嘆いた。



俺は、宇宙探索試験に受かったら、火星調査の第二部隊に選ばれたい。

宇宙探索第一部隊を、なんとしても発見して帰りたい。

そして無事に帰ってきて、先輩たちに直接報告をしたい。


それが、俺の今の夢だ。











俺の住むアパートの隣の部屋に、日本国から男の子が移り住んできた。

その子は先輩3人のあの火星撮影のニュースを見て憧れを抱き、宇宙探索試験を受けるため、単身でこの国に来たそうだ。


「あなたも宇宙探索試験受けるでしょ?同じ夢に向かってる幼い男の子だから、あなたも面倒見てあげてね」

アパートの大家さんに言われた。


俺は、単純にその子が凄いと思った。

その子のおかげでより先輩たちを誇りに思う気持ちが増したし、何より同じ夢を持つその子が、会ってもいないのに俺は好きになった。


大家さんに写真を見せてもらっていたため、どんな子か知っていた。

俺は、中学生が下校する時間を狙って、その子に挨拶をしようと思い、通学路で待った。決して怪しい者ではない。


「あ!お兄ちゃんだ!」

「ヒョン、今度またゲームで対決してよ!」

「オッパじゃあねー」


俺はこの学校出身ということもあり、よく登下校の生徒と挨拶を交わす。

今日もいつも通り、学生の見送りをしていると、


E-TION
E-TION
…嘘だろ。

全身びしょびしょに濡れ、バッグを持たず教科書と筆箱を手に持って、俯きながら歩く男の子。

小柄で痩せ型、ツヤツヤの黒髪をピシッと切り揃えた素朴な見た目のその子は、日本国から来たお隣さん、その人であった。


E-TION
E-TION
おい!どうしたんだよこれ!

俺が声を荒げてその子の肩を掴むと、彼は冷たい目をした無表情で、俺を見上げた。


U
U
どうもしません。


恐ろしいほど冷たい声とオーラで俺を圧倒し、また歩き出す。

俺は肩を掴む手を自然と離した。

それほど、あまりにも彼の無言の圧は強かった。


俺は訳が分からずその場に立ち尽くした。




E-TION
E-TION
ま、待って!!





カチャン。


急いで追いかけたが、足早なその子はすでにアパートに到着しており、俺を無視して静かな音を立て、アパートの扉を閉めた。


が、彼が鍵をかける前に、俺は強引な勢いでその閉まった扉を勢いよく開けた。



彼は一瞬、ビクッと体を跳ねさせ驚いたようだったが、すぐにまた無表情になって

U
U
…何ですか?


鬱陶しい、という表情になった。

E-TION
E-TION
今日、隣の部屋に来い。
ちょっと強引すぎたか。

彼は怪訝な表情になる。


U
U
え、っと…どちら様ですか…?
E-TION
E-TION
このアパートの住人。今日は隣に泊まれ。


数秒の沈黙。


U
U
…嫌です。
E-TION
E-TION
何でだよ。


また沈黙。



U
U
…僕、人と関わりたくないので。


出ていけというような視線。しかし絶対に引かない。
E-TION
E-TION
いや、来い。俺、隣の部屋に住むイ・チャンユン。宇宙探索隊に入るために勉強中。

それを聞いて、彼は切長な目を最大まで見開いて驚いた顔をした。


俺は彼を強引に外へ連れ出し、ポケットから探しだした鍵で扉を閉め、自分の部屋に連れ込む。

U
U
あ、あの…。
E-TION
E-TION
風呂入れ!電気代もガス代も、全部俺持ちでいいから。


びしょびしょの彼を風呂に入れさせる。


おぉ、パンツと服を忘れた。


俺はポケットから取った鍵で彼の部屋に入る。

整理整頓された部屋の、引き出しの中に綺麗に整頓された衣類。

下着と、布団の上に畳まれたパジャマを掴み、自分の部屋に戻る。


E-TION
E-TION
パンツとパジャマ、ここ置いとくなー。


間髪入れず、ガチャっと風呂のドアが開く。


U
U
か、勝手に部屋に入ったんですか!?

凄い勢い…。

E-TION
E-TION
あ、うん…。
彼の表情が曇る。

U
U
この状況がわかってますか!?知らない人の家のお風呂に入れられて、勝手に自分の部屋に入られてるんですよ!?しかも下着…!!


おぉ、この説教はマジだ…。

でも冷静に考えてそうだよな…。


E-TION
E-TION
すまん。単刀直入に言う。一緒に住まないか?
U
U
…はぁ??

そりゃそうか。


E-TION
E-TION
いや…協力しようと思って!
一人じゃ試験大変だろ?
U
U
僕模擬で全体一位でしたから、大丈夫かと…。
E-TION
E-TION
…。
たまげた。俺が合格ギリギリのBランクだった模擬試験、この子が1位だったのか…。
E-TION
E-TION
じゃあ、学校大変だろ?俺が飯とか作るから!
U
U
…僕、最低限なら料理します。それに、
キッチンに目をやる。

カップラーメンやコンビニ弁当、即席ラーメンの袋が散乱している。やめろ見るな。

U
U
ヒョン、料理しないですよね…?


バレバレ。


E-TION
E-TION
いや、しないけど、誰かがいるなら作ろっかなって思えるじゃん?
U
U
はぁ…そうですか…。



沈黙。


E-TION
E-TION
あぁぁ!!わかったよ!お願いだ!!俺の試験合格のために勉強手伝ってくれ!!


彼は一瞬、キョトンとして、すぐに顔を背ける。

口元を押さえて、笑いを我慢しているらしい。


E-TION
E-TION
あぁぁぁ笑うなや!
U
U
初対面の相手に土下座する人、初めて見ました…ㅋㅋ

こいつぅ…。

しかし、彼は年相応の男の子、というように無邪気な笑いをこちらに向ける。




何だかわからないけど、

俺が守ってやらないと。

俺が一緒にいてやらないと。


なんて思った。


E-TION
E-TION
決めた!やっぱり、この部屋に一緒に住もう。
U
U
もう!僕に決定権は無いんですか?
E-TION
E-TION
え…そんなに嫌か…?


上目遣いしたら、バシンと肩を叩かれた。

U
U
…良いですよ。何もかも割り勘で支払いすること。家事はお互いにすること。どちらかが料理をすれば、どちらかが片付けること。良いです??
E-TION
E-TION
もちろん!ありがとう!!

彼の両手を取って、ブンブンと上下に振る。

穏やかな表情になった彼が、ササっと下着とパジャマを着て、ペコリと一礼。一言、

U
U
よろしくお願い致します。






嫁入りじゃないんだから。