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第75話

みなとの恋
三「あーーー!もう!」

慶「まだまだ甘いな」

三「悔しいーーもう1回!」

慶「やだよ、疲れたし」


三「次こそ勝つもん!勝ったらちゅーしてあげるからやろうや」

慶「いらんわキショい!」


三「あれー?自分負けると思ってるんや?」

慶「勝つに決まってんだろ!やるぞ」





三「やったぁーー!」
両手を上げて喜ぶ俺の横に


慶「嘘だろ…」

唇に手を当てて呆然とする市川くん


防御されない内にさっさと…



慶「えっ!お、おい!」

唇にあった市川くんの手を掴んで
グイッと顔から離し、顔を割り込ませる


ちゅっ




三「ごちそうさまでした」



真っ赤になった市川くんが

慶「お前、口にしたじゃん、マジかよ」



それには答えず

三「市川くん、顔真っ赤になっちゃって可愛いねー」


怒られない内にさっさと退散する

三「じゃおやすみー!」



バタン





心臓がバクバクしてる

市川くんにキスしちゃった

大丈夫かな、変に思われてないかな



さっちゃんと付き合ってるから、おふざけでもダメなの分かってるけど

おふざけの振りしてでも、キスしたくなっちゃった




前にライブでみなとが1番成長した、って言ってくれた市川くん

普段はぎゃあぎゃあやり合ってるけど、市川くんが俺の事心配してくれてるのは前から知ってた



小「市川くんが心配してたよ」


清「市川くんが気にしとったで?」


俺が落ち込んでるとみんなが声を掛けてくれるけど


じゃあ何で市川くんは自分から来てくれへんの?


清「市川くんは俺が言うより歳の近いやつが話聞いてやった方がいいだろ、って」


多分リーダー的存在だから市川くんに怒られる事もあるし、自分の役割を考えてるんやろうけど

市川くんは来てくれない

慣れたけど


恋人にもなってもらえなくて、相談相手にもなってもらえない






翌日以降も何事もなく過ごした



それが段々変わったのは、俺とこたが飲酒事件を起こして市川くんの部屋に報告しに行ってから(44話参照)



市川くんの部屋を出て、こたがきよちゃんを追ったから、俺は廊下に残された


市川くん、幻滅したかな…

何となく気になって動けないでいた




ガチャ

背後からドアが開く音

期待しながら振り向くと、市川くんが部屋から顔を覗かせている


慶「何1人で突っ立ってんの?」

三「…気になって」

慶「…入れば」


寝るって言ってた市川くんに促されて部屋に入る




三「ごめんなさい、しょーもないやつで」

慶「時々挙動不審だったよ、お前」

ほら、そうやって何でも気づいてくれる


三「市川くんに呆れられちゃったよね」

慶「もう済んだ話!呆れてないよ、お前が笑ってないと調子狂うから」

優しく言うなよ



三「そういえば何で覗いたん?」

慶「なんか、何となく?お前がいるような気がした」

何だよそれ



慶「元気ないとみんな心配するよ」

三「明日から笑う、市川くんに報告したからひと仕事した感じはあるんやけど」

慶「じゃあ今すぐ笑えよ笑」

三「何もないのに笑えへんよ」

そう言いながらも市川くんの気遣いが嬉しくて笑ってしまう



三「市川くんがハグしてくれたら元気になるよ!」

慶「調子乗んなよ」

すぐ反撃される



三「ホントなのに」

もう一度だけ言ってみる



慶「…今日だけな」

市川くんが照れながら腕を広げる


嘘!
ええの?

恥ずかしいのと嬉しいので感情がよく分からんけど、勢いよく飛び込む


慶「攻撃かよ」

そう言いながら俺を抱きしめる市川くん



市川くんは俺の背中をトントンしながら、ただ黙ってる

すっぽり包まれて本当に居心地がいい

すごいな、と思ったのは市川くんが30分くらい、ずっと何も言わず傍にいて抱きしめてくれたこと


さっちゃんが羨ましい…


俺はギュッと背中を抱きしめて、顔を埋めて幸せに浸った





三「もう部屋に戻らないと、って思ってんねんけど」

慶「ん」

俺を撫でてた市川くんの手が止まって背中が寂しくなる

埋めていた顔を離すけど、市川くんの顔を見る勇気はないし

そのまま立ち上がって去る勇気もない


慶「今日は疲れただろうから、ゆっくり休みな」


三「市川くん…」


呼んでみたものの、言葉が続かない

何か言うつもりじゃなかった

ただ呼んでしまっただけ



三「市川くんがちゅーしてくれたら帰るんやけど」

軽く言うと


慶「それはマズイだろ、ほら帰んな」

軽く返ってくる返事



三「おやすみなさい、ありがとう」