第4話

リスナーの民度低下問題の本質
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2020/09/17 12:00
 うっかり公式とRPFサイトを結んでしまったガチャ製作者のように、ルールを守っているつもりでも公式への配慮が欠けているユーザー、リスナーはそれなりに散見される。それは動画コメントやTwitterのリプライに見られる公式の作風に合わないRPF風のコメントとなって現れ、俗に「民度が低い」と言われる。私も「まあ、民度はそれなりに低いよね」と思う。どれくらい低いのかというと、民度が低いコメントが頻出すぎて、だんだん民度が低いコメントを目にしても「民度が低いな」とすら思わなくなってきてしまったほどである。民度の低さとは恐ろしい。周りのユーザーやリスナーにさえ民度の低さに慣れさせてくるのだからまさしく負のスパイラルである。

 ともあれ、民度の低いリスナー、特にRPFにかぶれたコメントを連発するリスナーを人格否定するよりは、この人は公式への配慮に欠けてるんだな、と相手のバックグラウンドを想像しながら公式へ配慮とやらを指南してあげる方が遥かに建設的である。

 「こんなルールとマナーがあるから守ってくれればいいんです!」などという言い方は決して得策ではない。そんなことを言ったら彼らは公式への配慮という概念を知らないまま、また同じことを繰り返すだろう。

 もちろん「RPFを実況者本人に見られないようにしよう」というルールを言ってもいいが、このルールの本質は、RPFは本人のセクシャリティを決めつけたり、RPFに抵抗があるリスナーの気分を害したり、本人へのイメージを崩したりするおそれがあるからRPF関係者以外の目につくところにRPF作品を置かないようにするという配慮から成っていることを伝えなくては効果がない。

 RPFに限らず、二次創作における配慮も本質は同じである。たとえばあなたがジャンプコミックの登場人物で夢小説を書いたりBL作品を作ったりしたとしても、二次創作は原作への解釈やイメージを傷つけるおそれがあるから、原作者や二次創作に関わりのないファンに作品を見せたりはしないだろう。

 要はジャンルを問わず原作者、制作者やそのファンたちへの気づかいを心がければよい。だから、ただRPFや二次創作を規制することだけを目的として強化され、とうとうマニュアルじみてきたマナーやルールをひたすら守ることは、公式や他ユーザーへの配慮という観点ではあまり意味がない。

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