第7話

🗝
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2023/04/22 06:02




リヴァイ
それで何だが……話さなきゃならねえことが、あるんだ
あなた




リヴァイはなんだか思い詰めて、切羽詰まったような表情だった。





そんなリヴァイに、私は嫌な予感がぬぐい切れなかった。





リヴァイが私の膝に差し出したのは、手首までの丈の白手袋。





何処にでもあるデザインだが、私はつい最近これを身に着けている人間を見た気がする。





あなた
……ねえ、これ、って
リヴァイ
……お前の、姉のケイトの物だ





そういえば、お姉ちゃんを見ていない。





優しすぎるくらい優しくて、何かあったらぽっきりと折れてしまいそうな、そんな人。






私とは正反対の大好きなお姉ちゃん。





私が怪我をしたら、いつも真っ先に駆けつけてきたのはお姉ちゃんだった。






そのお姉ちゃんが、まだ来ていない。





あなた
嘘。うそ、だよね?





きっと気のせいだ。





だって、リヴァイはそうとは言ってない。





まだ、言ってない。





だから____





リヴァイ
死んだ
リヴァイ
お前の姉は、壁から飛び降りて自殺した





















あなた
………ぁ、
リヴァイ
……こんな精神状態の時に言うべきじゃなかったな
リヴァイ
わりィ
あなた
……ううん、立ち直った後に言われてたら、きっともう二度と立てなかったから
あなた
そう、そっかあ……
あなた
教えてくれてありがとう、リヴァイ
リヴァイ
………





リヴァイは何度か口を開いて開けてをしてから、絞り出すように言った。





リヴァイ
……礼言うんなら、もっといい顔してから言えよ
あなた
……ごめんね
リヴァイ
………
リヴァイ
これ
あなた
……?
リヴァイ
お前の姉さんが死ぬ前に言ってたこと、全部書いてる。
リヴァイ
一言一句漏らさず。そのまま
リヴァイ
書いたやつとお前以外は誰も知らねえ
リヴァイ
どうするかは、お前次第だ
あなた
……お姉ちゃんの
リヴァイ
ああ。……俺は出とく。仕事が溜まってるんでな





リヴァイは部屋を出て、足音が遠ざかっていった。












結局その手紙を見ることは、まだできていない。





事件から一年。





私は復帰して、今日も棚の中に未開封の手紙をしまった。






あなた
ごめんね、お姉ちゃん





見てしまったら、どうなるのか分からないから。





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