シガンシナ区が巨人に破られたという知らせが来たのはついさっき。
正直、信じたくねえが……
着いたのは翌朝だった。
さっき来た知らせは、彼奴の無事を知らせたがそれと同時に嫌なことも聞いちまった。
また、あいつは……大事な家族を失ったのか。
俺は手袋を手に、彼奴を探し出した。
ああ、だめだ。
そっちの角を曲がんな。
そこには、お前の______
あなたの頬に流れ落ちたそれは、俺の手を濡らした。
巨人は食った人間を吐き出すことがよくある。
それに触れてはだめだと、何度も念を押された。
此奴にとっては、残酷だよな。
一気に体重がかかってきた。
顔を確認すると、眠っているだけのようだ。
俺は、あなたを抱えて壁のほうへ向かった。
短くてごめんなさい。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!