第5話

🗝
366
2023/03/26 09:52




あなた
ん……




目を開けた。





あなた
ここは……ああ、いつもの




夢の世界、と私は呼んでいる。








大きな青白い、たくさん枝分かれされた木。







そして、九つの銀河。






この景色を見ていると、たった数秒のようにも見えるし、何十年も、何百年もこうしている気持ちになる。











この夢は、私の小さい時から見ている。






何を表しているのか分からないが、まあ綺麗なのでいいだろう。





というか、ベッドに入ったっけ?





そもそも何してたかな。





あなた
あ、久しぶり!!





この夢には、数年前……ちょうど調査兵団に入った頃から一人の女の子が出てくるようになった。






……





何も話さないのはいつもの事。





でも、隣に座ってくるのでいやな気持にはさせていない……と信じたい。





話しかけるのはいつも私。






この子はそれを聞くだけ。






たまに微笑んでくれる。





あなた
今日はお仕事ないんだね!
……





そう、この子はお仕事を持っている。





ここにある砂で大きな大きな人型を……って、え?






瞬間、私の中を何かが駆け巡った。






そして、母を殺した巨人と、私が手伝いで作った人型が結びつくのは、そう遅くはなかった。





あなた
なんで、
……





その子は首を傾げた。





私の中で暴れまわるモノがいる。




ああ、だめだ。





これ以上ここに居たら、私は傷つけてしまう。





大事な大事な友達を。





あなた
ごめん……いま、現実でいろいろあって
あなた
貴方を、傷つけたくない
あなた
大事な友達だから
あなた
だから……ごめん。
あなた
落ち着くまで、距離を置かせて
あなた
理由も言えなくて、ごめん






こんなことも耐えられない私でゴメン





貴方を独りにしてゴメン





貴方に疑心暗鬼になってゴメン





他にもたくさんのゴメンを抱えて、私は涙を流して謝るだけだった。





あなた
ごめん
あなた
ごめんね
あなた
ごめん
あなた
ごめんなさい





困ってるんだろうな、ごめんね





あなた
ごめん
あなた
ごめん、なさ
あなた
ごめ……!
あなた
ご、めん





何回謝ったろうか。





気が付けば私は部屋のベッドに横たわっていた。





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