第6話

後悔
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2020/12/27 17:56
凛side



「お兄ちゃん...」


「ん?どうした?」


ハル達が金魚すくいに挑戦している時、江が戸惑っている感じに話しかけてきた。



「その... お兄ちゃんといた女の子は... 誰なの...?」


「女の子?ああ、あなたのこ... っ!」


あなたの名前を口にして思い出した。
何やってんだ、俺は...!デートとしてこの夏祭りに来たのに俺はハル達と1人で勝手に合流して...
急いで辺りを見回したけど彼女の姿は無かった。



「クソッ...!」

宗介
「やっと気付いたか...」


「宗介...?」


振り向いたら宗介がいた。あなたも一緒にいる、と一瞬思って安心したけど現実は違った。



「宗介... あなたは...?」

宗介
「お前があなたに直接訊けば良いだろ。何でこうなったのかお前が1番分かっていなきゃいけないんだからな」


「くっ...」


友達の宗介は最初からあなたの気持ちを分かっていたのか... なのに彼氏の俺は...
電話を何回も鳴らしたけどあなたは出なかった。



「おい、宗介!あなたは何処にいるんだよ!」


自分に腹は立つし、あなたが心配で俺はもう涙目になっていた。


宗介
「...」


「宗介!」

宗介
「寮に帰った... 愛と百と一緒にな...」


「っ...!」


居場所を知って俺はすぐに駅に向かって走った。
あなた... 謝っても許してくれないかもしれない... でも今は... 早く会わねぇと...





宗介side



「行っちゃった...」

宗介
「凛に残って欲しかった?」


「いや、そうじゃなくて... ただ私、何かあるな、て思っていたの... お兄ちゃんが私達と回る、て言った時、一緒にいた女の子の顔が... スゴく悲しそうだったのに、"楽しんでね"て無理して笑っていた感じがして...」

宗介
「そうか... 江も気付いていたんだな」


「うん... でも言い出しにくくて... こんな遅くになっちゃった...」

宗介
「江は悪くないよ。これは気付いていなかった凛の責任だ」


「うん... ちなみにお兄ちゃんとその子の関係、て... 恋人...?」

宗介
「まぁな。でも付き合い始めたばかりだから、学校の外ではあまり知られたくないみたい。今は見守ってやってくれ」


「分かった。そっか〜 お兄ちゃんに彼女かぁ... だからあんなに焦っていたんだね」

宗介
「あぁ」


「2人が仲直り出来ると良いな...」





凛side


寮に着いて、迷わないであなたの部屋へ走った。



「あなた!」


ドアを勢いよく開けた。女子側に男子がいてなおかつ勝手に部屋に入るなんて、普通なら叱られるだろう。でも俺とあなたは学校の公認カップルだからか大丈夫みたい。それにあなたは皆と違って一人部屋。ルームメイトへの迷惑は無い。
中に進んだら、暗い部屋でワンピースのままベッドの上で寝ている彼女を見つけた。



「風邪引くだろ...」


近付いて、起こさない様にあなたを抱き上げた。布団を掛ける時、泣いた跡に気が付いた。



「...」


泣かせちまった... あなたには笑っていて欲しいのに... 水泳に一生懸命でいて欲しいのに...



「あなた... 悪かった...」


悔しい気持ちがまた込み上がって、目に涙が浮かんだ。



「祭りで一緒にいれなかった分、今側にいさせてくれ...」


ベッドに潜ってあなたを抱きしめた。

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