私の胸に頭をぐりぐりと擦り付けながら謝るジミン。
私がこういう可愛い仕草に弱いこと知っててやってるんだ絶対。
頭を撫でてため息をつくと、
と上目遣いで言われた。
そう言って見下ろすと、安心したようにふにゃっと微笑んだ。
くっついてると暖かくて安心する。
シーツの上で絡んでいるお互いの足の熱を確かめ合った。
"もう、今までのようには仕事場に行かない"
そう伝えようと思っていたのに。
理由を聞かれたらとか、
あの日のことを知ったら…とか、
本当は連れて行ってくれるの嬉しいとか、
そんなちぐはぐな感情が頭の中を渦巻いていた。
それでもこれ以上の混乱を避けたくて決意したはずなのに、結局私の口からはどうしてもその言葉が発せられなかった。
決して、Vさんに嫌われていなかったと知ったからではない…はず。
そろそろ起きようかと二人でベッドを出た。
遅めの朝食を手伝ってもらいながら一緒に作り食卓に座る。
明日からまた仕事のジミンと私。
こんなに好きで一緒にいると幸せなのに、何故か自分の仕事が入っていることに安堵していた。
まだ少し具合の悪そうなジミンとゆったりとした時間を過ごし、玄関まで彼を送る。
二人で外に出るのは滅多に叶わない。
まだ夕日が完全に沈まない時間に彼は笑顔を見せて帰って行った。
ジミンの熱がまだ残るソファに座って徐に腕をまくると、赤くなっていた場所が薄くアザになっていた。
もう痛みのないその場所を優しく撫でながら、昨日の晩のことを思い出す。
「俺のものになって」
脳裏に焼きついて離れない彼の美しい顔と瞳が私を惑わせた。
顔がカッと熱くなる。
この熱を冷ますために、今日は早目に…少し温度を下げたシャワーを浴びよう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!