そんな寝起きにうんざりしながらも、いつも通り仕事へ行く準備をする。
時刻はまだAM5;30
ベッドへの名残惜しさがあるものの、準備をしないと間に合わない
ベッドから出て、慣れた手つきで電動車椅子に一人で乗る。
私の今住んでいる部屋は、全面バリアフリーで独り暮らしには十分
...いや、もったいないほどの部屋だ
電動車椅子で移動して、顔を洗い、髪を結び、パジャマから着替える。
朝御飯...何か作ろうかとも思ったが、面倒くさくなったのでコーヒーだけで済ませる。
軽く化粧をして、時刻はもうAM7;00前
会社の始業時刻はAM8;00だからまだ時間はある。
洗濯物を干し、昨日の皿も洗い終わった。
コートを着て、カバンをもつ。
玄関に行き、忘れ物がないかを確認して家を出る
鍵を閉めて、駐車場まで行き車に乗り込んだ。
すべていつも通り。こんな生活になってからもう5年。
そんなことを考えながら、エンジンをかけ車を走らせるのだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!