あなたside
時は、四時限目終了時に遡る
他のクラスメイト達は、仲のいい友達と集まり続々と弁当を広げ始める。
そんな空気に堪え忍んで、私は自分の弁当を持ち静かに教室をあとにした。
そんなことを考えながら、廊下を歩いた。
この学校には、学食がある
何処かに空き教室は無いのかと思い、学校内の見取図を探す
体育館...は遠いし、中庭にも人は多そうだし、屋上...?
確かこの学校は、昼休み中は屋上が開放されてたような...
静かに弁当を食べれる、そんな淡い期待を抱きながら屋上へと足を向けた
........その考えが間違いだったと気づくのはもう少しあとのはなし
屋上の前に着いた
何やら中から人の声がする........ような
そんな願いは、このあとすぐに打ち破られるのであった。
うわぁ、本当に人が居たよ...どうしようかな~何処で弁当食べよ?
........じゃなくて!よりにもよって何であそこに天宮君があそこにいたの?
後ろから追っかけてきてるしwめんどーな事になったな( ´Д`)=3
追いついてきた天宮君に不意に腕を掴まれた
その腕を私は思い切り振りほどいてしまった
...ヤバい。瞬時に私はそう思った
天宮くんが私と仲良く?彼は私なんかが一緒にいていい人じゃない
そもそも、彼も他の人のように私を見捨てて消えていくに違いない
そう思うと、余計に彼と居るのが躊躇われた
そう言われて、驚いた。そんな素振り一切見せてないつもりだったのに
そんな意味もない会話をしながら、教室に戻った
教室に戻るまでの間、今まで感じたことのない人の暖かさを少し感じることができた気がした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。