実習生の井上先生は今日で最後。
井上先生は毎朝、私のところに来て、私の体調のこととか、今日はどこで何をする、とか色々聞いてくれてた。
ー保健室ー
井上先生
「失礼します。」
あなた
「あ、井上先生!」
井上先生
「今日、最後って言うのに最後の日だけ、俺の事"井上先生”って呼ぶんやね」
先生
「やっと、井上先生に心開けたよねw」
あなた
「今日はね、井上先生と一緒にお勉強したい!」
井上先生
「それはできないなぁ」「ごめんねぇ」
あなた
「井上先生との最後の時間だけ、頑張って教室入る!」
井上先生
「お、頑張れよ!」
それから、本当に私は井上先生との最後の時間を大事にした。朝のホームルームから給食まで。最後、6時間目はお別れ会だった。
Hくん
「井上先生、今までの実習、お疲れ様でした。井上先生との時間はかけがえのないもので"先生!”って呼ぶと笑顔で振り向き、自分まで笑顔になりました。今までありがとうございました!」
「最後に歌を歌わせてください!」
旅立ちの日に/合唱曲
小瀧望
「あなた〜!コレ、渡してこい!」
それで渡されたものは、みんなで書いた、寄せ書きと井上先生が大好きなグッツだった。
あなた
「今まで、私の事、気を使ってくれてありがとうございました!井上先生の笑顔と元気、忘れません!」
神山智洋
「先生!抱きしめてあげてください。」
井上先生
(あなたを抱きしめる)
全員
(拍手)
桐山照史
「井上先生から一言、どうぞ!」
井上先生
「最初、このクラスに来た時は、笑顔の耐えないクラスだなって思いました。だんだん慣れていくと、教室に入れてないあなたさんとか、心を開いてくれて、最初よりも話すようになってくれました。
みんな、3年生だから、今仲良い友達を大切にして、大人になって、いっぱい思い出話、して欲しいなって思ってます。今まで本当にありがとうございました!」
コレでお別れ会が終わり、初めてメンバーと一緒に帰った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!