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第8話

8
あなたside
あなた

ちょ、慎っ…


私の腕を掴んでどんどん前に進んでいく慎。


やっと足を止めた時には、人通りの少ない階段の端まで来ていた。


あなた

どしたの、急に。


学校で関係を隠そうといったのは慎の方だ。


それなのに今理科の実験のペアを勝手に組まれ、よくわからないままここに連れ出されている。

長谷川慎
いや…なんか、あいつにあなたをとられそうな気がして。
あなた

あいつ?

長谷川慎
川村壱馬。

…なにがなんだかさっぱりわからない。


第一、最近一緒に帰れなくなったり付き合いが悪くなったのは慎のせいだし…

あなた

そっちの方が安藤さんと仲良くしてるじゃん。

長谷川慎
…へえ?嫉妬してんの?
あなた

いやなんでそうなるん!?


ニヤニヤしながら私との距離を縮めてくる慎。


反射的に私も後ろに下がっていったけどいつの間にか壁に追い込まれていた。

あなた

いや…ちょ…


どんどん迫ってくる慎の顔。


ヤバい…逃げられない…!!











長谷川慎
今、キスされると思ったでしょ。
あなた

は…ち、違うもん!

長谷川慎
嘘つけw

くすくす笑っている慎を見て、ちょっとだけ自分が恥ずかしくなった。


さっと後ろを向いて顔に手をつけると熱くなっているのがわかる。

あなた

もう…なんなん…


なんかいつもの慎と違う。

私から話しかけないとなんにも答えないような奴なのに。

長谷川慎
……
あなた

わっ!


私が後ろを向き過ぎたせいか、また腕を勢いよく引っ張られる。


慌てて前を向くと、そこには綺麗な慎の顔。








そのまま、触れるだけのキスをした。








あなた

っ……//

長谷川慎
俺だけ見てろ。


慎はそれだけ言うと、実験室の方まで歩き出していく。



私はその背中を慌てて追うことしかできなかったーー。