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第1話

プロローグ
12
2021/08/11 06:51
遠い遠い昔の話だが、その頃はまだ「妖怪」と「人間」が仲良くしていた時代だった。
誰かがいじめられる、いじめるなどそんなことはなく、ただ平穏な暮らしが続いていた。

ある者は異族に好意を。
ある者は異族と結婚を。
ある者は異族と子を。

だがそんな中、あることが発覚し、「妖怪」と「人間」の関係に亀裂が入った。

異族との間に子を作るのは、やはり抵抗のある人が多かった。
好きであっても「怖い」という気持ちはあったのだろうか。
それでも子を作りたいと思うのは、1割にも満たないぐらいだった。
そしてその間に生まれた子は「特別」という形になった。

ここからだ。狂い始めてしまったのは…。
「特別な子」は、目につけられる存在になった。
そしてある時、「子がいなくなった」と泣き叫ぶ妖怪がいた。
そして相次いで子がいなくなったという。
「神隠しか」というものも出回ったが、一応と、町中を探し回った。

そして夜。
ある妖怪がこんなものを見つけてしまった。
「この赤ん坊は貴重なものです。」

と。まるで誰かに譲るような話し方をしていた。

「こちらは地位の高い“化け物”と人間の間で生まれました。どうでしょう?」

そう。
人間は、「特別な子」を盗んでは売っていたのだ。
この町は金がない。
だが最近、少し余裕ができたと思えば、裏でこんなことをしていたのだ。
それを聞いた妖怪が広め、そこから対立が始まった。
元々、人間が妖怪に好意を寄せる人はとても少なかったらしい。
結婚をした人であっても、ただ金目当てという人が多かった。
心に傷を負った妖怪は、人間を殺そうとする。
だが、この事態の為にと、人間は銃や槍など、殺す支度を前々からしていた。
そのため、妖怪は次々を命を落とした…。
残った妖怪は、魔界へと戻り、復讐を誓った。
そして、不死の体を持ち、魔界最強の妖怪を作ろうと決心し、死ぬ時まで「その存在」を作り出した。
そして長い年月を経て、「その存在」が誕生した。