第15話

夏の魔法。(長尾)
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2021/07/16 13:25
長尾side
今はもう夏休み。
ただでさえ話さんのにあなたとの関わりがなくなった。
だがしかし、
今日はクラスのみんなで夏祭りに行く約束をした。
あなたも参加という話を聞いた。
本当は行かないと言おうと思ってたけれどあなたが行くなら話は別だ。
絶対今日こそ仲良くなってみせる!
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待ち合わせ場所にいくと男子軍はもう集まっていた。
『あ、みっちー!』
道枝「あ、長尾、遅かったな笑」
『出るまで寝ようと思ったら寝すぎちゃってさ笑』
道枝「ねるなよ笑」
なんて会話をしていると女子軍が来たらしい。
女「やっほー!」
女「うわ、暑いなぁ」
男「女子みんな浴衣やん」
女「かわいいでしょー」
あなたの浴衣姿が気になってキョロキョロした。
あ、いた
めっちゃかわいい。
あなたは水色の涼し気な色に大きめのピンクの花柄の浴衣を着ていた。
髪はいつもと違ってアップスタイルで、メイクもしている。
いつもと雰囲気も違ってとても可愛い。
あなたにみとれていると隣からみっちーが話しかけてきた。
道枝「…長尾?どしたー?」
『え、あぁ、笑浴衣可愛いなぁと思って笑』
道枝「たしかに可愛いよなぁ笑」
鈍感なみっちーはきっと俺があなたのことを好きだなんて気づいていない。
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全員揃ったことを確認して、屋台へと向かった。
女「私たい焼き食べたい!」
男「俺焼きそばぁ」
男「たこ焼きしか勝たんだろ」
女「タピオカいく」
みんな自由すぎるだろ笑
『待って待ってじゃあ、花火の前にここに集合で1回自由に回ろう笑』
男「長尾にしては名案やな笑」
『俺にしてはってなんやねん笑』
そうして、自由時間に入った。
適当にブラブラーっとしていると金魚すくいの屋台であなたが金魚をすくっていた。
『なーにしてんの?』
なんて、肩を叩いた。
すると、その小さな方がビクッと跳ねて、あなたはびっくりしたようにこっちを見た。
高梨「あぁ、謙社くんか笑」
なんて笑っている顔もかわいい。
高梨「今金魚すくいやってんねん笑難しいなぁ笑」
あなたの入れ物を見ると見事に空で金魚をすくう紙もやぶれていた。
『おじさん、俺も1回』
「あいよー」
『まぁ、みててよ』
なんて言って見られていることに少し緊張しながら金魚すくいを始めた。
『よっ…よっ』
7匹はすくえたかな?
なんて数えていると
あなたが目をきらきらさせてやってきた。
なんだその顔かわいい
高梨「謙社くん上手すぎやん!!」
『そうかなぁ、うへへ』
高梨「うん、超うまい!すごい!!」
なんてあなたは俺をべた褒めしてくる。
『じゃあ、これ、はい!あげる笑』
高梨「え、いいの?」
『うん、笑もともとはあなたのためにとったし笑』
高梨「ほんまありがとう!!大事に育てなあかんなぁ」
なんてキラキラした目で金魚を見ている。
その顔可愛すぎやん。
そんなことを思ってあなたを見ていると、俺のお腹がなった。
ぐぅーーー
高梨「…ふっ、あはは笑笑笑笑」
『…そんな笑わんといてや笑』
高梨「…お腹空いたね?笑」
『うん笑笑』
高梨「じゃあなんか、食べに行こか笑」
『俺、チーズハットグ食べたいな?笑』
高梨「了解笑」
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それから、屋台を沢山回った。
チーズハットグでチーズが伸びて喜んでいたあなたも可愛かった。
たこ焼きが熱くてはふはふしながら食べているところも可愛かった。
わたあめが大きすぎて顔が隠れてるのも可愛かった。
タピオカが美味しくて目がキラキラしてたのも可愛かった。
今日は可愛いあなたを沢山見れた。
なんて、思い出にひたっていると、花火が始まる時間になった。
あ…戻らなあかん。
『あなたそろそろ戻らな笑』
高梨「あ、ほんまや、笑楽しすぎて時間忘れてたや笑」
戻りたくないな…
そう思っていたら無意識にあなたの袖を掴んでいた。
高梨「ん?どーしてん?笑」
『やっぱり戻りたくないや』
高梨「え、でも、もう花火始まるで?」
『花火はあなたと二人で見たい。あかん?』
高梨「…ええよ」
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花火を見ているあなたの横顔を見る。
『綺麗…』
高梨「ほんま綺麗よなぁ」
『花火じゃなくて、あなたが綺麗やで』
高梨「…なに急に笑、照れるやん笑、辞めてや笑」
『俺、あなたのこと好きやで』
高梨「えっ」
『付き合ってくれへん?』
高梨「実は私も好きやってん、私から言おうと思ってたんに笑」
なんて、今日1番の笑顔を見せてくれた。
その顔はとても可愛くて幸せそうな顔をしていた。
すると、この小さな告白を祝福するように大きなはーとの花火が上がった。

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