第14話

アイドルというものは*
329
2021/03/21 03:18
あなたside
アイドルというものはアンチが付き物だ。
ジャニーズの紅一点となれば尚更。
今日はファンレターを読む日。
マネージャーさんからファンレターをダンボールで貰った。
みんなで集まってファンレターを読んでいる。
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あなたちゃんへ

いつも笑顔なあなたちゃんに元気もらってます!
学校も不登校気味だったのですが、毎日行けるようになりました!
これからも応援してます!
西畑くんとの絡みが好きなのでなにかエピソードがあればききたいです!

あいな
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えぇ、嬉しい、もっと、頑張らんとな
返事を書いて、次の手紙を読む。
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いつになったら辞めるんですか?
なにわ男子の他のみんなもやめろって思ってますよ!
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こんな短文でわざわざ、笑
みんなにはバレへんようにこの手紙は隠しとくか
と、思ってたらいつの間にか道枝が覗き込んでたらしく「えっ」と、声を上げていた。
『うぉ、びっくりした〜笑』
道枝「あなたちゃん、大丈夫ですか?」
『え、うん、全然余裕笑』
と言って次の手紙に手をかけて読もうとした時
ピリッとした感覚がした。
『いたっ』
道枝「ん?どうし…え、血が…どうしたんですかこれ」
封筒の中を急いで出すとそこには大量のカッターの刃と、手紙があった。
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さっさと死ね
消えろ
ブスのくせによくテレビ出れるな笑
さっさと死ねばいいのに
しぶとすぎてゴキブリみたい笑
あ、もうゴキブリかぁ
なにわ男子の紅一点がゴキブリとか笑っちゃう笑
私の大吾くんに近づかないで
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ゴキブリってなんやねん笑
せっかく道枝とおるのに萎える
こんなこと言ってくる人もいるし手はカッターで切れるし
とりあえず止血して絆創膏を貼った。
いつの間にか道枝がみんなを呼んでいたらしい。
藤原「なんで言ってくれへんの?相談くらいしろ」
『だって言ったらファンレ全部みんなに確認されそうやもん』
藤原「それは…するけど!」
『するんかい』
西畑「ごめんなぁ、あなた、俺のせいや」
『んや、西畑のせいじゃない』
西畑「でも、」
『そんなに怪我もしてないし、西畑のせいじゃない』
大橋「まぁ、あなたちゃんも大丈夫だって言ってるんやから、なぁ?笑」
『うんうん、そんな怖い顔せんといて笑』
高橋「でも、あなた怪我しとるやん
そんなことこれからもあったら怖い。」
『うん、まぁそれは今度から慎重に手紙開けるようにするわ』
『やからさ、そんなに心配せんでも…』
藤原「あなた」
『…』
藤原「みんな心配してんねん、そんな無理して笑わんでもここだけでは泣いてもええんやで」
と言われて、なぜだか涙が出てきた。
不安だった。
私に来るアンチの多さに。
悲しかった。
否定される度。
私はほんとになにわ男子に必要なのか、何度も考えた。
それでも、ファンの方とかメンバーの顔みてたらこの場所にずっといたいと思った。
『私、みんなとアイドルやっていたい…やからアンチに負けたくないねん』
道枝「あなたちゃん」
長尾「後輩ですけど、頼ってくださいよ!」
と言って笑ってくれた。
その笑顔が嬉しかった。
みんなに抱きついた。
『みんな大好き』
長尾「俺も好きですよ」
道枝「絶対絶対一緒にデビューしましょうね!」
大橋「あなたの笑顔が1番や!」
藤原「もう心配かけんな」
大西「絶対何があってもそばにおるからな」
高橋「デビューの時あなたがおらな俺辞めるから」
西畑「絶対俺らから離れんなよ」
なにわ男子に全部をかける。
改めてそう思った。
アイドルというものはアンチが付き物だ。
でも、それと同時に支えてくれる誰かがいる。
私はその誰かを支えれるようなアイドルになるんや。

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