捜査編•1
稽古場
時雨が疑問をそのまま投げかける
その姿に眩しさを感じてしまうのは私が駄目な大人だからだろうか
零斗の肯定とも否定とも取れない曖昧な返事に時雨が怒ったような声を出す
…このままで大丈夫だろうか
少し遠くの方から時雨の声が聞こえ急いで駆けつけると
大きな布で覆い隠さてれた場所におびただしい数の虫眼鏡が放置されている
あまりの数に思わず声が漏れた
念の為忠告しておく
虫眼鏡の山の中を少し見てから零斗が声を発する
時雨がこちらに視線を向ける
数秒の沈黙の後重い口を開く
物置
橘さんのくれた情報によるとここが物置らしい
かなりの間放置されていたのか埃が舞っている
………ここが本当に物置として使われているのか?
灯りが付いて周囲が見えやすくなる
そして改めてここが物置で在ることに疑問を抱いた
時雨が楽しそうな声で話す
後ろからふと消え入りそうな声が聞こえる
劇場
ガヤガヤと複数の声が聞こえる
孤立していた少女に橘さんが近づき耳元で何か囁く
すると少女の顔色が一気に明るいものへと変わる
一体何を言ったのかここからは聞こえない
零斗の声で意識を事件のことに戻す
……そうだ私達はあくまで衣装が自然発火した事件の解決に来たんだ
ネスト所属シェードスパロウの記録者として
名探偵如月零斗の記録者として















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!