第4話

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2020/03/14 18:41
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「花吐き病になっちゃったの。」

初めて誰かに言った。

炭治郎くんは「花吐き病…?」と首を傾げている。
あまり知られていない病気らしい。

嘔吐中枢花被性疾患おうとちゅうすうかひせいしっかん…通称花吐き病って言うんだけど、…恋心を拗らせるとなっちゃう病気なんだって」

そう言って先程観察していた小さな花を炭治郎くんの手に乗せる。
白い小指サイズの小さな花。

「これは…ギンモクセイ?」

これ、ギンモクセイって言うんだ。
名前、初めて知ったかも。


「ギンモクセイは秋の花なのに…今は春だぞ?」

「それは私がその花を吐いたから。」

炭治郎くんは驚いた顔をする。

「人が、花を、吐く…のか?」

「うん。信じられないかもしれないけど、花吐き病ってそういう病気なんだ。」

そんな病気あったんだな、とギンモクセイを見つめる炭治郎くん。

「で、その…恋心を拗らせるっていうのが…」

炭治郎くんが触れないので、私から言い出す。

「あぁ、言いたくなかったら言わなくてもいいぞ。その手の話は繊細なんだって昔、禰豆子からたくさん聞いてるから。」

にこ、とお日様のように笑う炭治郎くん。
本当に優しい子だな。

じんわりと涙が出てきてしまう。

「ありがとう、炭治郎くん」

じゃあ仕切り直してお団子楽しもうか、
そう笑う炭治郎くんに頷く。

炭治郎くんと話すと気分が晴れるな。
そう涙を拭き取り、団子を口にしようとする。




「何してんの2人で」


座っている私たちの頭上から、不満を含ませたような声が降りかかる。

パッと上を向いて驚く。



「ぜ、善逸…くん?」


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3/9 訂正しました。

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